【2021年版】IT導入補助金とは?申請対象企業、申請方法を解説

ITツールを導入して業務を効率化させたいと考えている企業は多いと思いますが、同時にITツールの導入費用がネックで導入に踏み切れない企業も多いでしょう。そのような場合に利用を検討したいのが「IT導入補助金」です。ITツールの導入支援として、ITツール導入時に必要な費用の一部を補助金として受け取ることが出来るのです。

この記事では、IT導入補助金の対象や申請方法などをまとめました。これからITツールの導入を考えているのなら、ぜひ参考にしてください。

目次

IT導入補助金とは

IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者がITツールを導入する費用の一部を補助するものです。

公式サイト「IT導入補助金2021」によると、目的は以下のとおりです。

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等のみなさまが自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、みなさまの業務効率化・売上アップをサポートするものです。
(「IT導入補助金2021」事業目的・概要より)

また、2021年のIT導入補助金ではITを用いて感染症リスクを低くするビジネスモデルの転換を支援する補助枠も設けられ、低感染リスク型ビジネスは優先的に支援が進められるようになっています。

ただしIT導入補助金を受けるためには、用意された要件を満たす必要があり、その補助率も内容によって変わります。

補助の対象外となる事業・ツールも存在しますので、申請時には補助要件をよく注意する必要があるでしょう。

2021年のIT導入補助金のスケジュール

IT導入補助金には定められたスケジュールがあり、そのスケジュールに従わなくてはいけません。
2021年のIT導入補助金スケジュールは下記の通りです。詳細は、「IT導入補助金2021」のスケジュールをご確認ください。

1 IT導入支援事業者の登録申請

2021年3月25日(木)〜6月30日17:00(水)

IT導入支援事業者とは、IT導入補助金の申請者ではなく、ITツールを提供する側のことを指します。IT導入支援事業者に登録されたうえで、認められたITツールのみが補助の対象となります。

2 ITツールの登録申請

2021年3月25日(木)〜

IT導入支援事業者が補助の対象となるITツールを登録します。

3 申請期間、交付決定日

申請者が申請できる期間です。通常枠、低感染リスク型ビジネス枠ともに同じスケジュールです。

申請期間 2021年4月7日(水)〜

【1次締切分】
締切日 5月14日(金)17:00
交付決定日 6月15日(火)

【2次締切分】
締切日 7月30日(金)17:00
交付決定日 8月31日(火)

【3次締切分】
締切日 9月中(予定)
交付決定日 10月中(予定)

IT導入補助金の対象

IT導入補助金の対象となる企業・ITツールは下記を参考にしてください。詳細は、「IT導入補助金2021」の事業概要をご確認ください。

対象企業

【中小企業】

業種・組織形態 資本金(資本の額または出資の総額) 従業員(常勤)
製造業、建設業、運輸業 3億円 300人
卸売業 1億円 100人
サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) 5,000万円 100人
小売業 5,000万円 50人
ゴム製品製造業(自動車または航空機用タイヤ及びチューブ製造業、並びに工業用ベルト製造業を除く) 3億円 900人
ソフトウェア業または情報処理サービス業 3億円 300人
旅館業 5,000万円 200人
その他の業種(上記以外) 3億円 300人

※資本金・従業員規模の一方が表の数字以下でなくてはいけない(個人事業を含む)

【その他の法人】

業種・組織形態 資本金(資本の額または出資の総額) 従業員(常勤)
医療法人、社会法人、学校法人 300人
商工会・都道府県商工会連合会及び商工会議所 100人
中小企業支援法第2条1項第4号に規定される中小企業団体
特別の法律によって設立された組合またはその連合会
財団法人、社団法人(一般・公益)
特定非営利活動法人
主たる業種に記載の従業員規模

※従業員規模が表の数字以下でなくてはいけない

【小規模事業者】

業種・組織形態 従業員(常勤)
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 20人以下
製造業その他 20人以下

※従業員規模が表の数字以下でなくてはいけない(個人事業を含む)

対象のITツールと補助率、補助金額

IT導入補助金の対象となるITツールは、すべてのITツールではなくツールの販売者が制度に登録していなくてはいけません。

自社が導入予定のツールが登録されているかどうかは「IT導入支援事業者・ITツール検索」を利用すると良いでしょう。

補助率や補助金額はツールの分類によって変わります。それぞれの分類は以下の通りです。

類型 補助率 補助金額
A類型 1/2以内 30万円〜150万円未満
B類型 1/2以内 150万円〜450万円以下
C類型 2/3以内 30万円〜450万円以下
D類型 2/3以内 30万円〜150万円以下
【通常枠:A・B類型】
それぞれの補助率は変わりませんが補助金の申請額に違いがあり、A類型よりもB類型の方が多くの補助金申請が可能です。
【低感染リスク型ビジネス枠:C類型】
新型コロナウイルス対策として設けられた新しい枠で、非対面ビジネスに関連したITツールの導入企業が対象となります。
通常枠に比べて補助率が高く優遇されているため、まず自社がC類型に該当しないかを確認すると良いでしょう。
【低感染リスク型ビジネス枠:D類型】
テレワークの導入に関係するITツールの導入が対象となる特別枠で、クラウドに対応したツールであることが必須条件になります。
こちらもC類型と同様、通常枠よりも補助率が優遇されています。

IT導入補助金の申請方法

ここからは、IT導入補助金の申請方法を紹介しましょう。詳細は、「IT導入補助金2021」の申請・手続きフローをご確認ください。

1 事前準備(gBizIDプライム・SECURITY ACTIONの取得)

gBizIDとは複数の行政サービスを利用するためのIDのことです。gBizIDには3種類あり、IT導入補助金の申請には「gBizIDプライム」というアカウントが必要です。「gBizIDプライム」の取得には印鑑証明書が必要になり、IDの発行には1~2週間かかります。

SECURITY ACTIONとは、中小企業等がセキュリティ対策に取り組んでいることを宣言するもので、WEBで申請をするとSECURITY ACTIONのロゴマークが使用できるようになります。IT導入補助金の申請に、こちらの宣言が必要です。

2 交付申請

IT導入支援事業者と共同で事業計画を作成したうえで、WEB上で必要事項を入力し、必要な書類を添付し申請を行います。

3 ITツールの契約

必ず交付決定の通知を受けた後で、ITツールの契約を行う必要があります。交付決定前の契約は、補助金が受け取れなくなるので注意しましょう。
なお、低感染リスク型ビジネス枠(C類型、D類型)であれば、遡っての申請が可能な場合もあります。詳細は公募要領をご確認ください。

4 事業実績報告

ITツールを導入したことを報告します。ITツールの契約や支払いを証明できるものを提出します。

5 補助金交付手続き

補助額が決定され、交付されます。

6 事業実施効果報告

ITツール導入の効果があったことを報告するため、申請時に目標として定めた労働生産性などの数値を定期的に報告します。
2023~2025年の3年間に渡り、年に1度の報告が必要です。

IT導入補助金の申請要件

これまでにご紹介してきた申請の対象となる企業や申請方法で触れていなかった要件で、申請に必要な他の主な要件をご紹介します。

内容の詳細は、「IT導入補助金2021」の補助対象となる事業者をご確認ください。

・申請時点で日本に登録されている個人または法人であり日本国内で事業を行っていること
・申請時点で申請者が営む事業場内の最低賃金が地域の最低賃金以上であること
・申請時に1つの携帯電話番号を登録すること
・補助事業を実施することによる労働生産性の伸び率の向上について、1年後の伸び率が3%以上・3年後の伸び率が9%以上または、これらと同等以上の数値目標があること
・IT導入支援事業者と確認を取った上で生産性向上に関する情報と事業場内最低賃金を報告すること
(「IT導入補助金」補助対象となる事業者より)

IT導入補助金の採択率を上げるポイント

IT導入補助金の要件を満たした企業が多かった場合、相対評価での審査となるため採択率が下がったり、採択されないケースもあります。

ここからはIT導入補助金の採択率を上げるポイントを説明しましょう。

ポイント1 可能な限り早く申請する

IT導入補助金は、早いタイミングで申請するほど採択率が上がると言われています。

また、早い段階で申請をすると、万が一申請が不採択となった場合にも内容を修正したうえで再申請が出来るでしょう。

ポイント2 信頼出来る企業であることをアピールする

審査項目にない部分であっても申請時に入力する内容は全て審査対象であると認識し、自社の信頼度を高められるようアピールをしましょう。

「事業計画の有無」や「業務状況の把握、振り返り(頻度の質問)」など、申請前に準備や改善を行えるものもあります。自社に不足している体制があると感じた場合には、このタイミングで業務改善を進めるのも良いでしょう。

審査項目は「公募要領」(4.審査内容)に、申請時の入力内容は「交付申請の手引き」(4.交付申請入力画面イメージ)で事前に確認することが可能です。

ポイント3 ITツールの導入によって企業の生産性が上がることを伝える

ITツールの導入で企業の生産性がどのように向上するのかを明確にします。

ITツールによって、自社の弱みをカバー出来る点を分かりやすく記載しましょう。自社の事業の強みや弱みは、フリー入力欄もありますので活用すると良いでしょう。

まとめ

IT導入補助金の申請対象や手続きについて、説明いたしました。少子高齢化が進み労働人口の減少が進む中、企業にとって生産性の向上は欠かせない事項です。IT導入補助金を活用してコストを抑え、ITツールを導入しましょう。

マニュアル&ナレッジ管理アプリ「toaster team(トースターチーム)」も、IT導入補助金の通常枠(A類型)のITツールです。
文章マニュアルや動画マニュアルの作成、情報共有、社内wikiなど一括管理できるクラウドサービスです。IT導入補助金を活用した導入をぜひご検討ください。

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