仕事の生産性向上で得られるメリットとは|成功事例を分析

少子高齢化やさまざまな要因から働き手が不足している今、多くの企業に生産性の向上が求められています。

この記事では生産性向上の基本的な知識や方法と、実際に生産性向上を成功させた企業の例を紹介しましょう。生産性向上を目指したいと考えているのなら、ぜひ参考にしてください。

生産性向上とは

生産性とは企業が投資した人・もの・費用などの資源から、どれだけの成果が得られたかということを意味しています。

分かりやすく説明すると、今まで10人の従業員が100個の成果を生み出していた時に

・5人の従業員で行えるようになった場合
・10人の従業員が200個の成果を生み出せるようになった場合

どちらパターンも生産性が向上したと言えますし、他にも材料費や作業時間などを含めて多くの生産性向上の方法があります。

生産性向上と業務効率化の違い

生産性向上と業務効率化は似た意味を持っていますが、それぞれ違った意味があります。

業務効率化はその言葉の通り、業務中に存在している無駄を省き、効率よく業務が進められるようにする業務改善のことです。

結果的に作業時間の短縮や生産性が上がる可能性もありますが、あくまで「業務改善」に着目しているため、生産性向上とは求めるゴールが違うと考えれば良いでしょう。

生産性向上が必要な理由

日本の労働生産性は国際的には非常に低く、下記のようなことがその原因だと考えられています。

・非効率な状態の業務運営
・社員のモチベーションを下げる労働環境
・社員、経営側の両者が労働生産性に対する意識が低い

生産性が低いままでは、労働環境の改善、企業の利益や価値の向上をすることは難しくなります。

今後世界的に労働力がより低下していくと予想されているため、生産性向上を行わなければより一層企業の経営は厳しくなると言えるでしょう。

生産性の向上はこれからの社会で生き残るために欠かせない事柄であると考えられます。

生産性向上が企業にもたらすメリット

生産性向上を行えば、企業は多くのメリットが得られます。それぞれのメリットを理解しましょう。

メリット1 労働人口減少に対応可能

少子高齢化の流れが加速を続ける現在では、今後も続くてあろう労働人口不足への対策を始めなくてはいけません。

コア業務以外の外部委託、ロボットや効率化ツールの導入などによって、少ない労働力で多くの成果が得られる生産性向上を成功させれば、労働人口不足時にも業務運用に困ることはないでしょう。

メリット2 労働環境の改善

労働生産性という考え方が不足している日本の企業では、残業を前提とした働き方をスタンダードとしている傾向の企業が少なくありません。

そのような労働環境ではワークライフバランスが取りにくいため社員のモチベーションも保ちにくくなり、過剰労働によるミスの発生などのトラブルを招く恐れもあるでしょう。

生産性が向上すると、労働時間の短縮や成果を出すための資産を削減でき、その分の利益を社員に還元させることも可能になります。

さらに労働環境が良くなると労働力の流出も防げ、より優れた人材が手に入れられるのです。

メリット3 企業利益の向上

成果を生むために消費していた資産(もの・時間・費用)を節約出来れば、企業利益が向上します。

企業利益が高まれば、企業や商品の価値の向上が可能となり、競合他社との差別化も出来るでしょう。

生産性向上を行う注意点

生産性向上は一朝一夕で実行可能なものではなく、ほとんどの場合は一定の時間と労力が必要となります。

そのため生産性向上の施策を進める関係者には事前に、生産性を向上させることによって得られるメリットや企業が受ける影響を伝え、その重要性を十分に理解させてください。

すぐに効果が現れなくても、根気良く行動を続けなくてはいけないのです。

また、現場の状況を理解していない経営陣が一方的に生産性向上を決めて実施するのはおすすめしません。机上の考えを元として一時的に数値上の生産性が向上したとしても、実際には現場に多くの負担がかかってしまう恐れがあるためです。それでは、長い目で生産性向上に成功したとは言えません。

生産性向上のために企業が行える対応策

生産性向上のための対応策にはどのようなものがあるのでしょうか?ここからは具体的な生産性向上の対策方法をお伝えしましょう。

1 業務全体を可視化する

まず業務の全体像が把握出来なくては生産性を向上させることは出来ません。業務に必要な工程を分かりやすくするために、業務全体が可視化可能な状態を用意しましょう。

業務の可視化にはITツールを活用すると非常にスムーズに進められます。現段階でITツールを導入していないのであれば、ぜひ検討してください。

2 コア業務と非効率な業務の洗い出し

成果に直接つながるコア業務は何かを明確にし、コア業務を効率化させるための投資は積極的に実施します。

その逆に、現段階の業務に無駄が多い非効率なものがないかの見直しも実施し、業務全体を効率化させていきましょう。

生産性向上を妨げる業務を廃止するだけでも組織の生産性は大きく変わります。

3 社員のモチベーションの向上

社員のモチベーションが低い状態では、せっかくの投資が成果につながりにくくなってしまいます。

現在の労働環境が劣悪なのであれば改善し、社員のやる気を維持出来る正当な評価やスキルアップが可能な環境を整えましょう。

モチベーションの高い社員が集まれば、社員の個人単位のスキル向上も進んでいきます。

企業が生産性向上に成功した事例

生産性向上に成功した企業はどのような取り組みを行ったのか、具体的な事例を紹介しましょう。

株式会社東京スター銀行:端末を利用したローン契約の遠隔相談

株式会社東京スター銀行は以前は一部の店舗のみにしかローン担当者が在籍していなかったため、ローンを希望する顧客への対応が遅れてしまうという問題を抱えていました。

テレビ会議システムを導入してローン担当者不在店舗での端末相談を開始したところ、スピーディーな対応が実現して、ローンの成約率を大幅に向上させたのです。

端末でのアナウンスの他にも、該当店舗の顧客担当者も同席させることで、より信頼性の高いサービスの提供が実施出来たそうです。

ファイザー株式会社:e-ラーニングシステムの導入

世界中に社員が在籍しているファイザー株式会社は、教育に必要な時間とコストを削減して生産性向上を行うために、e-ラーニングシステムを導入しました。

今まで4〜5日かかっていたオリエンテーションが2日未満となり、1年で160万ドルのコスト削減も実現させたそうです。

株式会社千葉銀行:セレクト勤務制度の導入

1日の勤務時間は変更せずに15分単位で自由な時間に出社・退社することを可能にした株式会社千葉銀行では、1人当たりの1ヶ月の時間外労働が平均4時間程度削減しました。

遅い時間の相談を希望する顧客対応が行いやすくなり、時間に縛られない働き方が出来るようになったことで、ワークライフバランスが保ちやすくなったと社員から高い評価を得ています。

まとめ

生産性向上の基本的な意味と、具体的な成功事例や対策の注意点を説明いたしました。

少子高齢化や労働人口の減少など社会的な変化に対応するためにも、生産性向上はこれからの経営に欠かせない事柄であると言えます。

この記事で紹介した内容を参考に、ぜひ自社の生産性について考え直してみましょう。