電子マニュアルとは紙ではなくパソコンやスマホなどの電子デバイスを使用して作成・閲覧・修正が可能なマニュアルのことです。効率良くマニュアルの配布や管理が出来ることから、現在は非常に多くの企業でマニュアルの電子化が進んでいます。
その影響を受けて、会社に入社時や転職時にも、分厚いマニュアルを手渡される機会も減ったのではないでしょうか?メリットが多いと思われている電子マニュアルですが、もちろんデメリットも存在します。
この記事では、電子マニュアルの種類とともに、メリット・デメリットについて分かりやすく紹介しましょう。
電子マニュアルのメリットとデメリット
ますは電子マニュアルのメリットとデメリットを説明します。紙マニュアルと比べて、どのような違いがあるのかを理解しましょう。
電子マニュアルのメリット
電子マニュアルのメリットには下記のようなものがあります。
・膨大な量のマニュアルでもデータが持ち運びやすい
・マニュアルの更新作業が容易に出来る
・マニュアル内で検索機能が使用出来る
・拡大縮小表示が出来るため、見やすいサイズで閲覧出来る
・常に最新の状態のマニュアルを配信出来る
・印刷コストがかからない
・保管のためのスペースが不要
・管理のために必要になる人員が少ない
・劣化しないため半永久的にデータを残すことが出来る
電子マニュアルのデメリット
電子マニュアルのデメリットには下記のようなものがあります。
・複数のページを見比べることが難しい
・デバイス画面上での閲覧となるので、目が疲れやすい
・ハッキングなどによる情報漏洩の危険性がある
電子マニュアルの便利な使い方
電子マニュアルは紙のマニュアルに比べて、便利な使い方が多いと言えます。その使い方の具体的な例を紹介しましょう。
外出先やデスク以外でも閲覧出来る
基本的にマニュアルは社外秘であるため、外に持ち歩くことが出来ません。
社内であってもマニュアルを持ったまま作業を進めることは少ないでしょう。
しかし、電子マニュアルはスマホやタブレットでの閲覧が可能なため、デスク以外でマニュアルを見ながら作業をすることが可能です。
また、出張先やリモートワーク中にも気軽にマニュアルの確認が出来るため、マニュアルの理解不足によって発生するミスを防ぐ効果もあるのです。
よく読むマニュアルをブックマーク出来る
自分が何度も確認しているマニュアルがある時に、紙のマニュアルの場合は付箋を使う以外の方法がありません。
しかし電子マニュアルでは、ブックマークやお気に入り機能を使って、マニュアルを見返したい状態に維持しておくことが出来るのです。
留意すべきマニュアルだけを集めて、業務に対して自分の理解を深めることも可能になります。
電子マニュアルの種類とそれぞれの特徴
電子マニュアルはいくつかの種類があります。ここでは主要の電子マニュアル4つについて、それぞれのメリット・デメリットを紹介しましょう。
1 クラウドサービスを利用したマニュアルのメリット・デメリット
クラウドサービスを利用したツールは様々なものがありますが、マニュアルの作成や管理に特化したツールも存在します。
クラウドサービスを利用しているので、インターネット環境さえあれば、どこからでも利用できるというのが最大の特徴でしょう。
クラウドサービスを利用したマニュアルのメリット
自社でシステムを構築するのに比べ、導入コストをかけずに、すぐにツールを使い始めることができます。多くの場合、無料で利用できるお試しの期間が用意されていますので、実際に使ってみて、自社に合う合わないを確かめることが可能です。
また、マニュアル作成に特化しているので、使い勝手が良いテンプレートが用意されています。
多くのツールではマニュアルの作成や管理だけではなく、社内wikiなどの他の便利な機能も兼ね備えていることが多いです。
クラウドサービスを利用したマニュアルのデメリット
使い勝手が良いテンプレートが用意されているというメリットの反面、カスタマイズできないというデメリットがあります。
また、クラウドサービスを利用するので、自社内だけのシステムに比べ、セキュリティ面では劣るというのもデメリットでしょう。
2 PDFマニュアルのメリット・デメリット
PDFマニュアルは多くの企業で活用されており、その他の業務でも使われているファイル形式であることから、誰もが簡単に取り扱えるという特徴を持っています。
PDFマニュアルのメリット
作成したPDFは変更することが出来ない設定が用意されているため、作成後の電子マニュアルを改変される心配が要りません。
また、マニュアルをそのまま印刷出来るので、紙マニュアルとの併用もしやすいというメリットがあります。
サムネール表示・検索機能・目次機能・リンク機能も搭載されているので、マニュアルをサクサクと読み進められるでしょう。
PDFマニュアルのデメリット
PDF電子マニュアルは専用のソフトがなくては改変が出来ないため、修正時にもそのソフトを活用しなくてはいけません。
また、マニュアルの誤送信やハッキングによる情報漏洩の恐れがあるでしょう。
3 電子書籍マニュアルのメリット・デメリット
電子書籍とは、パソコン上で紙のマニュアルのようにページをめくり、見開き表示が可能なマニュアルのスタイルです。
完成度が高く、直感的で分かりやすい操作が出来るという特徴を持っています。
電子書籍マニュアルのメリット
まるで本を読んでいるような感覚でマニュアルを読み進められるため、ボリュームのあるマニュアルでもストレスなく閲覧が可能でしょう。
使い心地は紙マニュアルのようですが、検索機能や付箋機能を搭載しており、目次やカテゴリごとに項目も検索しやすくなっています。
パソコン以外にもスマホやタブレットでの閲覧が可能です。閲覧環境に合わせて読みやすいスタイル表示に変更されるので、どのような環境でもマニュアル閲覧にストレスを感じることはありません。
電子書籍マニュアルのデメリット
ファイル自体が重くなる傾向がありますので、インターネットの環境が悪い場所は、マニュアルダウンロードに時間がかかってしまうこともあるでしょう。
気軽に持ち出しやすいため、セキュリティ面の心配も残ります。
また、普段電子書籍を読まない方にとっては、馴染みのない操作方法だと感じられる可能性もあります。
4 HTMLマニュアルのメリット・デメリット
HTMLマニュアルは別名Webマニュアルと呼ばれ、Web上で閲覧するためにWeb言語であるHTMLを使用して作成されています。
HTMLマニュアルのメリット
HTMLマニュアルのメリットは、電子マニュアルの中でも特に検索精度が高いため、自分が求めている情報が見つかりやすい点です。
簡単に更新が出来るため、常に最新のマニュアルが配信されます。拠点や支部が多い場合にも一斉にマニュアルの更新が出来るということです。
インターネット環境さえあれば、自由にマニュアルの閲覧が出来るのも、HTMLマニュアルの大きな特徴です。
HTMLマニュアルのデメリット
HTMLマニュアルはHTMLで構成されているめ。複雑なレイアウトがしにくくなります。
リンク以外での目次の準備が出来ないため、全体のボリュームが把握しにくいというデメリットもあるでしょう。
さらにインターネット上に情報を保管するスタイルになるため、ハッキングによる情報漏洩のリスクも考えなくてはいけません。
インターネット環境さえあれば閲覧が可能だというメリットもありますが、逆に考えるとインターネット環境がなければマニュアルを見ることが出来なくなります。
まとめ
電子マニュアルのメリット・デメリットについて、電子マニュアルの種類と一緒に分かりやすく説明いたしました。
自社の決定した方法で電子マニュアルを作成した後は、そのマニュアルを社員全員に閲覧する必要があり、社内で共有するシステムを構築しなくてはいけません。
スムーズに電子マニュアルを社内で共有するために、電子マニュアル導入と同時に情報共有ツールの利用も考えると良いでしょう。
自社に最適な方法で電子マニュアルを作成し、効率良くマニュアルの管理が出来るようにしてください。