おすすめの業務マニュアルのテンプレート:使うメリット等も解説

業務マニュアルの活用は業務改善に有効だと、導入を検討・実施する企業が増えています。業務マニュアルの整備は、業務のスムーズな進行や均質化、従業員全体のレベルアップに役立ち、マニュアルそのものが情報として企業の財産にもなります。
とはいえ、業務マニュアルの導入には、構成を決めたり、情報を整理したりと労力が必要です。当然コストもかかるでしょう。
そこで、業務マニュアル導入の労力とコストを削減するために役立つのが、無料のマニュアルテンプレート(テンプレ)です。
そこで今回は、マニュアルのテンプレについて、利用するメリットやポイント、テンプレの無料配布サイトなどをご紹介しましょう。

目次

業務マニュアルの作成でテンプレートを使うメリット

ノートパソコンで作業する女性

マニュアルとは、簡単に言うと業務の指南書のようなものです。各業務に関する業務フローや注意点、判断基準、また手順(マニュアルの一種である手順書)などが記載され、誰が見ても業務の進め方や全体像が把握できるような内容になっています。
まずは、このマニュアル作成にあたって、テンプレを利用するメリットを4点ご紹介しましょう。

メリット1 マニュアル作成の手間を短縮できる

マニュアル作成にテンプレを用いる1番のメリットは、テンプレを利用すればマニュアル作成の手間を短縮できることでしょう。
テンプレがない場合、マニュアル作成にあたっては、業務内容に合わせた構成を練り、視覚的効果を意識した工夫をこらし、さらにデザインも一から決めなくてはなりません。それでは、ただでさえ膨大な情報をまとめるのに手間がかかるマニュアル作成が、さらに労力を要するものになってしまいます。

しかし、テンプレがあれば手間はぐっと短縮できます。テンプレに合わせて内容をまとめるだけでマニュアルが完成し、理解度を上げる構成の工夫やデザインに時間を割く必要もなくなります。 

メリット2 作成者によるばらつきが起こらない

一から業務マニュアルを作った場合、その項目やデザインは作成者によって変わってしまいます。マニュアル利用者からすれば、統一感のないマニュアルは扱いにくいでしょう。

しかしテンプレートがあれば、これをベースにマニュアル作成を行うことができるため、作成者による項目やデザインのばらつきを抑えることができます。これにより、利用者はどのマニュアルも理解しやすくなり、効率的に活用できるようになります。

またテンプレートは、複数人での業務マニュアル作成作業にも役立ちます。

メリット3 内容の抜けを防ぎやすい

テンプレには、マニュアル作成において必要となる基本項目があらかじめセットされています。そのため、テンプレに沿って入力を行えば、マニュアルに必要な情報を抜け漏れなく記載することが可能です。
テンプレなしに一から自作したマニュアルには、必要な情報が抜けてしまうというリスクが少なからず生じます。このようなリスクを回避できるのも、テンプレを利用したマニュアル作成のメリットでしょう。 

メリット4 様々な業務内容やシーンに応じられる

提供されているテンプレートには汎用性に優れたものが多く、これらはひとつのテンプレートで多様なマニュアル作成に対応します。つまり、テンプレートを使ったマニュアル作成では、全体的な統一性を持たせながらも、様々な業務内容やシーンに対応することが可能なのです。

そのため汎用性の高いテンプレートは、あらゆる部署や職種でマニュアルを作る際に役立ち、各マニュアルに柔軟に対応しながら、会社全体としての統一感のあるマニュアル作成を助けます。

業務マニュアルの作成手順

業務マニュアルの作成は、次のような手順で行います。

①目的と利用者、対象範囲の設定
②スケジュールを組む
③業務の洗い出しと整理
④構成と目次の決定
⑤本文の作成
⑥運用開始・効果検証・改善

それぞれのステップについて詳しく見ていきましょう。

手順1 目的と利用者、対象範囲の設定

まず行うのは、業務マニュアル作成における「目的」と「利用者」、「マニュアルにする対象範囲」を設定することです。これらのことが明確に決まっていないと、マニュアル作成が本来目指しているものとは違った方向に作業が進んでしまう恐れがあります。

また、「何のためのマニュアルか」「誰が使うマニュアルか」という点は、これ以降のステップでも常に念頭に置いておくことが大切です。

手順2 スケジュールを組む

業務マニュアルの作成を効率的に進めるためには、この段階でスケジュールを組むことが重要です。
マニュアル作成には時間と人手が必要であり、またその過程では従業員の協力も要請することになります。それぞれのスケジュールを調整し、ずるずると先延ばしにならず、かつある程度余裕のある日程でスケジュールを組むようにしましょう。

また、運用開始の日程が決められている場合には、そこから逆算してスケジュール設定をしてください。

手順3 業務の洗い出しと整理

次に、マニュアルを作成する範囲の業務について、業務および作業を洗い出し、手順を踏まえそれを整理します。

この洗い出しについては、机上で行うのではなく、必ず実際に業務を担う現場の従業員にヒアリングするようにしてください。これにより正確に業務の現状を把握し、抜け漏れなく業務をピックアップすることができます。

手順4 構成と目次の決定

構成や目次はマニュアルの鍵となる部分です。どのような構成・目次を設定するかによって、そのマニュアルの理解しやすさは変わります。
手順1で洗い出した業務を整理しながら、最適な構成・目次を作り、具体的にどのような内容で本文を作成するかということもイメージしていきましょう。

この作業は、チームの複数人で行うことをおすすめします。これにより、1人で作業した場合よりも客観的な構成・目次が設定できるためです。

手順5 本文の作成

ここまでの準備ができたら、ついに本文の作成に入っていきます。手順4で作成した構成と目次を基に、担当者間で手分けして本文を作成しましょう。

ここで重要なのは、作業の優先順位や時系列を意識することです。これらの順番がバラバラに書かれているマニュアルは、理解しにくいものになってしまいます。
また、なるべく専門用語は使わず、誰にでもわかりやすい言葉を使うこともポイントです。
さらに、より視覚に訴える写真やイラスト、動画、図なども活用すると良いでしょう。

手順6 運用開始・効果検証・改善

業務マニュアルが完成したら、不備がないか入念に確認した上で、運用に入ります。
マニュアルは必要に応じて変更したり加筆したりしていくものなので、一度完成して終わりではありません。そのため、この段階では今後の運用の担当者も決めておく必要があります。

運用は、まずはスモールスタートで効果検証し、必要な場合は改善を行ってから本運用に移るというのが一般的です。
その後も効果検証と改善を続ければ、業務マニュアルをより良いものにすることができます。

業務マニュアルを作成する際のポイント

利用者が活用しやすい業務マニュアルを作成するには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
ここからは、マニュアル作成にあたって特に注意したい6つのポイントをご紹介します。

ポイント1 伝える内容を明確にする

業務マニュアルは、「伝えたい(知りたい)内容がパッと見てわかる」ことが大切です。現場の従業員がマニュアルを利用する際に、マニュアルの文章をじっくり読まないと分からないマニュアルは利便性に欠けます。知りたい情報がなかなか分からないマニュアルは使われなくなってしまいます。
文章自体の完結さやわかりやすさはもちろん、どこに求める情報があるのかがすぐにわかるような視覚的工夫も用い、伝えたい内容を明確に伝えられるマニュアル作成を目指しましょう。

特に明確にしておく必要があるのは、手順や基準、目的などです。これらは質の高い業務を行うために重要な項目です。

ポイント2 5W1Hを意識する

5W1Hとは、 「いつ(When)」「どこで(Where)」「誰が(Who)」「何を(What)」「なぜ(Why)」「どのように(How) 」という6つのことです。この5W1Hを明確に記すことで、文章はぐっと理解しやすいものになります。

本文作成の際には、この点も意識するようにしてください。

ポイント3 文章を簡潔に書く

長々と続く文章は瞬間的な理解が難しく、要点もはっきりしないため、業務マニュアルには向きません。
マニュアルの文章は、「簡潔に・短く」を心掛けてください。1つの文章に入れる動作を1つまでにすれば、簡潔な文章が作れます。

ポイント4 業務未経験の人が見ても分かるような内容にする

業務マニュアルは、「誰が見てもわかる」「誰が見ても業務を理解できる」ことが大切です。その業務に携わったことのない人が見ても理解できるよう、「専門用語はなるべく使わない」「説明を省略しない」などの点に気をつけ、とにかくわかりやすい内容での作成を目指しましょう。

ポイント5 画像・動画を積極的に利用する

業務マニュアルには、画像や動画、図などを積極的に利用することをおすすめします。これらは文字では伝えきれないことを伝えることができ、また文中に入れることでメリハリをつけることも可能です。

文字ばかり並んだマニュアルは理解しにくく、そもそも読む気が起きません。
読み手に視覚的なアプローチをするためにも、画像や動画、図の活用は効果的です。

ポイント6 シンプルなデザインにする

業務マニュアルは、シンプルなデザインを意識してください。
凝ったデザインのマニュアルでは、要点が掴みにくく、また作成に余計な時間と労力もかかってしまいます。

情報を明確に伝えるマニュアルは、「シンプルでわかりやすく」が基本です。デザインに凝るのではなく、赤字や太字、図など基本的なデザインを用いて作成を行いましょう。

おすすめの業務マニュアルのテンプレートを紹介

Microsoft

Microsoftでは、Office用のテンプレが2,000点以上、会員登録不要で無料公開されています。WordやExcel、パワポに対応しており、マニュアル作成に利用できるテンプレもダウンロードが可能です。
ビジネスジャンルだけでも多様なテンプレがラインナップされているので、マニュアル作成をはじめとした幅広いビジネス文書作成に活用できます。

https://www.microsoft.com/ja-jp/office/pipc

bizroute

bizrouteは、ビジネス用テンプレに特化したオンラインメディアです。
部門別にさまざまなテンプレが公開されており、要件定義やフロー図など、マニュアル作成に利用できるものも多数あります。テンプレによってWordやExcelなど対応ツールは異なりますが、どれも無料ダウンロードが可能です。

https://bizroute.net/

bizocean

bizoceanは書式やテンプレートの無料サイトで、4万点を超えるラインナップの規模が魅力です。テンプレは年賀状からビジネス文書まで多岐に渡り、マニュアルテンプレも種類別にラインナップされています。
会員登録は必要になりますが、登録もダウンロードも無料で活用しやすく、多くのユーザーに利用されています。

https://www.bizocean.jp/

SILAND.JP

SILAND.JPはWordとExcelの無料テンプレ配布サイトです。テンプレは各ツールに適した型で作成されており、簡単で見やすい文書作成が可能で、カスタマイズもできます。
マニュアルテンプレはWord用で、目次や見出しも簡単に作成でき、デザイン性にも優れています。

http://siland.jp/

テンプレートBANK

テンプレートBANKは、ビジネス文書テンプレだけでなく、名刺やラベルなどのデザインテンプレにも対応する無料テンプレサイトです。WordやExcel、パワポに対応し、見やすくデザイン性の高い構成のテンプレを多数ラインナップしています。ただし、マニュアル専用のテンプレはないようなので、マニュアル作成に用いる場合には、多数あるビジネステンプレをうまく活用する必要があります。
サイトの利用には無料の会員登録が必要です。

https://www.templatebank.com/

経費削減実行委員会

経費削減実行委員会は、ビジネスに必要な書式を提供しているビジネスサイトです。多数のテンプレートが部署や目的ごとにカテゴライズされ、ユーザーは全て無料で利用することができます。

マニュアル作成に利用できるものも複数ラインナップされていますが、その中でも汎用性が高いのが「手順マニュアル」です。PowerPointで使えるこのシンプルテンプレートは、あらゆる業務に対応します。

https://econavi.owners.ne.jp/

[文書]テンプレートの無料ダウンロード

このサイトでは、ビジネス向けからプライベート向けまで、Excelや Wordで使えるテンプレートが多数ラインナップされています。

ホームから検索ができないので少し探しにくいですが、マニュアルに使えるテンプレートは、「ホーム→その他の文書テンプレート→マニュアル・作業手順書」から利用可能です。エクセルで使える3種の書式が用意されています。

https://template.k-solution.info/

プレゼンデザイン

プレゼンデザインは、プレゼン資料の作成に関する情報発信を行っているサイトです。記事や動画、講座の他に、無料で利用できるPowerPoint用テンプレートも公開しています。

テンプレートのラインナップはあまり多くはなく、業務マニュアル用のものはありませんが、汎用性が高いデザインとなっているため、マニュアル作成にも応用可能です。デザインパーツ集やカラーサンプルも配布されているため、慣れない人でも見やすいデザインのマニュアル作成ができます。

https://ppt.design4u.jp/

Excelフリーソフト館

ブログ形式で、Excelで使える様々なテンプレートをラインナップしているこのサイトでは、マニュアル用テンプレートも無料配布しています。
デザインはごくシンプルなので、必要に応じたカスタマイズもしやすく、あらゆる業務マニュアルに応用することができます。

他にも、業務やプライベートで使えるテンプレートがまとめられており、ユーザーは無料でダウンロードすることが可能です。

https://templateexcel.com/blog-entry-963.html

まとめ

テンプレを利用したマニュアル作成についてご紹介しました。
ご紹介したサイトでは、マニュアルに限らず、多数のテンプレが用意されています。企業におけるナレッジの活用や共有が重要視される中で、このようなテンプレの利用はナレッジ活用を手助けしてくれるでしょう。
ただし、テンプレを使ったからといって良いマニュアルが作れるわけではありません。テンプレの選定や文章作成はポイントを押さえて慎重に行い、自社に適したマニュアルを目指すことが必要です。

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