わかりやすい操作マニュアルの作り方とポイント|ツール・テンプレートを活用するメリットも解説

操作マニュアルの整備は、業務効率化の手段として有効です。操作マニュアルがあることで、従業員はスムーズに機器の操作を進めることができます。

ただし、マニュアルの積極的な活用を実現するためには、その内容はわかりやすく使いやすいものでなければなりません。
そこで今回は、使いやすい操作マニュアルの作り方とそのポイントについて詳しく解説します。

目次

操作マニュアルとは


業務で使用するシステムや機器の操作方法をまとめたものを、操作マニュアルと呼びます。
システムや機器には既存の説明書が付いているものですが、操作マニュアルではそれとは別に、自社の業務に合った操作方法を記します。

操作マニュアルには、操作方法や操作手順、判断のガイドライン、トラブル時の対応などが記載されます。
これをもとに機器の操作を進めることで、従業員は不明点を解決しながら、自身で正確な作業を進めることができます。

操作マニュアルの作り方

操作マニュアルは、次の6つのステップで作成します。

①対象者の設定
②内容の洗い出し
③構成の決定
④本文作成
⑤Q&Aの作成
⑥問い合わせ先の記載

各ステップについて詳しくご説明します。

ステップ1 対象者の設定

まずは、対象者の設定を行います。
ここでいう対象者とは、出来上がった操作マニュアルを読む人のことです。対象者によって、操作を解説する機器の種類やそのレベルは異なります。

このステップでは、初心者には専門用語のない簡単な内容でマニュアルを作成するなど、対象者の機器の操作に対する経験や理解度に応じて、マニュアルの方針を決めることが大切です。

ステップ2 内容の洗い出し

対象者が決まったら、内容の洗い出しを行います。
操作マニュアルにはどんな項目が必要か、また課題はないかなど、現場の従業員の意見も聞きながら、記載すべき内容を決定します。

ステップ3 構成の決定

次に、全体の構成を決めていきます。
ステップ2で洗い出した内容をわかりやすい順番で並べ、操作マニュアルの大まかな枠組みを作成してください。
いきなり本文作成を始めてしまうと、内容の抜けや漏れ、重複が起こる可能性があるので、必ず先に構成を決めるようにしましょう。

また、マニュアルのレイアウトも決定し、後の本文作成の土台を作成します。

ステップ4 本文作成

構成やレイアウトが決まったら、マニュアルの本文作成に入っていきます。
この作業では、各操作の説明を文章化します。文章作成にあたっては、次の点に注意してください。

・端的な表現を行う
・ひとつの文に入れるのはひとつの動作にとどめる
・重要な部分は強調する(色を変える、太字にするなど)
・専門用語は避ける(初心者の場合)
・視覚的な見やすさを意識する(イラスト、図表など)

マニュアルは、とにかく簡単でわかりやすいことが重要です。複雑な表現や冗長な表現は、マニュアルには向きません。
文章はもちろん、視覚的な見やすさも意識し、誰もが同じように理解できる内容を目指してください。

ステップ5 Q&Aの作成

操作マニュアルには、よくある操作の疑問をまとめたQ&Aも記載するようにしてください。
Q&Aがあれば、対象となる操作者は素早く疑問を解決することができ、また問い合わせによる管理担当者の負担も軽減されます。これにより、操作者と管理者双方が業務を効率化することができます。

Q&Aの内容には、現場の従業員から聞き取ったよくある疑問も反映させると良いでしょう。

ステップ6 問い合わせ先の記載

操作の疑問については、マニュアルの説明やQ&Aで解決してもらうのが理想です。しかし、中にはこれらの方法で解決できないケースもあります。
そのような場合に速やかに適切な問い合わせ先に連絡し指示を仰げるよう、マニュアルの最後には問い合わせ先となる管理担当者の連絡先を記載します。

わかりやすい操作マニュアルにするためのポイント


わかりやすいマニュアル作成を目指すには、次の6つのポイントに注意する必要があります。

・目次から内容を把握できるようにする
・視覚的なわかりやすさを意識する
・3つのステップで解説する
・操作の目的で分類する
・操作手順とその結果を分ける
・無理にまとめない

各項目について詳しく見ていきます。

ポイント1 目次から内容を把握できるようにする

目次から内容を把握できれば、操作マニュアルの使い勝手は良くなります。
機器の操作中に疑問が生じても、まず目次を確認すれば、必要としている情報へすぐにアクセスすることができるためです。

そのため、マニュアル作成にあたっては、目次にもこだわらなければなりません。目次を見るだけでどんな内容が記載されているかがわかるよう、わかりやすく端的な目次設定を心がけてください。

また、マニュアルの運用にあたっては、内容の更新とともに目次も更新することを忘れないよう気をつけましょう。

ポイント2 視覚的なわかりやすさを意識する

操作マニュアルの実用性を高めるには、視覚的なわかりやすさを意識することも大切です。
強調したい部分を太字にしたりマーカーを引いたりするのはもちろん、適宜イラストや図表も用いて、読み手の視覚的理解を促してください。
文章ばかりのマニュアルは読みにくいですが、そこにイラストや図表といった視覚情報が入ると、マニュアルはぐっと見やすくなります。

また、操作マニュアルではフローチャートや動画の活用も効果的です。文章で説明しにくい操作も、これらを利用すれば伝わりやすくなります。

ポイント3 3つのステップで解説する

操作マニュアルに載せる操作方法は、「操作前・操作中・操作後」 という3つのステップで記載することを意識してください。

操作方法の説明は、場合によっては情報量が多くなったり説明が複雑になったりすることもあるでしょう。しかし、基本として「操作前・操作中・操作後」の3ステップに分類が行われていれば、内容の把握はしやすくなり、視覚的な見やすさも向上します。

例えば、操作中に不明点がある時には「操作中」の項目を、操作後にきちんと作業ができたか確認したい時には「操作後」の項目を確認すれば、読み手は欲しい情報を得られます。
この分類が行われていないと、読み手は作業にあたって、最初から最後まで全ての説明を読まなければならず、作業の効率性が落ちてしまいます。

ポイント4 操作の目的で分類する

操作マニュアルは、目的で分類するのもおすすめです。
例えば、「データを更新したい」「データを削除したい」などです。このような目的別の分類は、市販の機器の説明書でもよく見られます。
目的別に内容を分類し目次を作っておけば、マニュアル利用にあたって、自分の目的に当てはまる項目を探すのも簡単になります。

ただし、この目的は操作者の立場に立って考えることが大切です。ヒアリングをもとに、実際に業務で生じる目的を項目にすると良いでしょう。

ポイント5 操作手順とその結果を分ける

操作手順とその結果は、明確に分けて記載しましょう。パッと見てどこまでが操作手順でどこからが結果かわかるのが理想です。
操作手順と結果が混ざってしまっていると、読み手は知りたい情報を得にくくなり、また視覚的なわかりやすさも低下します。

これらはスペースや段落分けを用いて、文章としても視覚的にも分けるようにしてください。

ポイント6 無理にまとめない

操作マニュアルは、無理にひとつにまとめる必要はありません。
操作の種類や方法、目的が多岐にわたる場合には、カテゴリーを分けたり、箇条書きや図表を用いたりするなど、表現を工夫することが大切です。

無理やり多様な内容をひとつの操作マニュアルにまとめてしまうと、使いにくく見にくいものになってしまう可能性もあるので注意してください。

操作マニュアルの作成にツール・テンプレートを活用するメリット

操作マニュアルの効率的な作成には、マニュアル作成の専用ツールやテンプレートを活用するのがおすすめです。その3つのメリットをご紹介します。

メリット1 レイアウト・デザインを決める必要がない

マニュアル作成のツールやテンプレートを用いれば、作成するマニュアルのレイアウトやデザインを一から決める必要はありません。汎用性の高いデザインのテンプレートが用意されているため、それをもとに内容を入れ込むだけで済みます。

これにより、マニュアル作成の手間は軽減され、担当者はその内容の作成に集中することが可能です。

メリット2 画像や動画を入れ込みやすい

専用ツールやテンプレートは、画像や動画を配置しやすい仕様になっています。ワードやエクセルを用いて自身でマニュアルを作成しようとすると、画像や動画の入れ込みは簡単にはできません。

画像や動画は、マニュアルを理解しやすくし、視覚的にわかりやすくするために欠かせないものです。その作業が簡単にできることで、より質の高いマニュアル作成が叶います。

メリット3 どんな端末でも作業ができる

マニュアル作成の専用ツールは、ほとんどの場合マルチデバイス対応になっています。そのため、オフィスのパソコンから作成することも、手持ちのスマホやタブレットから手を加えることもでき、柔軟なマニュアル作成が叶います。
一方、エクセルやワードを利用した場合であれば、端末によっては閲覧・編集が難しく、マニュアル作成を進められないこともあります。

ツールによりいつでもどこでもマニュアル作成に取り組めれば、その効率性は向上します。

まとめ

わかりやすい操作マニュアルは、端的な表現で誰でも同じように理解しやすく、また視覚的に見やすいことが大切です。そのためには、文章表現に気をつける他、マニュアルのレイアウトやデザインを工夫する必要があります。

とはいえ、レイアウトやデザインを一から決めるには、時間や労力が必要です。
この手間を軽減させるためには、マニュアル専用のツールやテンプレートを利用するのがおすすめです。これにより、わかりやすいマニュアルを効率的に作成することが可能になります。

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