マニュアルは不要?人材教育やOJT、業務遂行に役立つ効果を紹介

「マニュアルなんか使わずに個々の能力で会社をよくしていけば良いじゃないか!」
とマニュアル不要を唱える方もいるでしょう。

さて、本当にマニュアルなんていらないのでしょうか?
マニュアルの必要性や目的について考えたことはありますか?

ここではマニュアルがなぜ必要なのか、マニュアルは何の目的で作られるのか、もう一度振り返ってみましょう!

目次

「マニュアル不要論」を唱える人の言い分

そもそもなぜマニュアルを不要とする意見があるのかというと、

・そもそもマニュアルがなくても業務を行える(マニュアルを作っていない有名企業もある)
・マニュアルなんか見ない
・マニュアルに甘えてマニュアル以上のことをしなくなる
・マニュアル通りに働くことが難しい(業種である)
・マニュアルを作れる人間がいない(時間が無い)
など不要論を唱える理由は様々です。

確かにマニュアルがなくても成り立っている企業もありますし、日常の業務も行えているのでしょう。
ではなぜ世の中にはマニュアルが存在し、必要とされるのでしょうか?

マニュアルって必要?作る目的とマニュアルの役割

マニュアルが持つ本来の目的は、指導係がいなくても新人や部下などが仕事を行えるようにすることにあります。また、その内容は適宜改善・更新されていくべきものです。

マニュアルを元に誰もが自律的に業務を行うことができ、わからない点を指導係に聞くという流れを作ることによって指導係が指導に費やす時間を少なくするということを忘れてはいけません。では不要論者が唱える内容はどうでしょうか?

「マニュアルがなくても働ける」「マニュアルなんか見ない」「日常の業務は行える」というのは、それだけ指導係が指導にかかる時間を費やしているからではないでしょうか?誰かが教えているから新人や部下が育つというのは確かにそうなのでしょう。しかし、その教える時間は全て必要なのでしょうか。指導する時間を減らすことができれば、他の仕事をする時間が増えるので生産性が上がるのではないでしょうか。

「マニュアル以上のことをしなくなる」というのはどうでしょう。逆に考えたらマニュアル通りに働けるということは、きちんとマニュアルの内容が頭に入っているからです。それ以上のことをして欲しければ指導すればいいし、マニュアル通りに働いたことによって問題が起きたとしたらそのマニュアルに問題があるのでしょう。

では最後に「マニュアルを作れる人間がいない(時間が無い)」という問題はどうでしょうか。マニュアルがないことによって、指導する時間に多くの時間を費やし、他の仕事の時間を増やせないというのでは、いつまでたっても時間が作れません。時間が作れなければマニュアルを作れません。つまり、ずっとマイナスのスパイラルが発生しているということになります。

そう言われてもマニュアルを作る時間がないのに…。結局そこに戻ってしまった方は、社内で作ることを諦めて外部に委託するという方法もあります。ただし、外部委託すれば高額の費用がかかってしまいますので、外部委託を検討する場合は見積額を出すなど慎重に検討する必要があるでしょう。また、人の問題であればマニュアルツールを利用するなどすれば時間はかかるかもしれませんが費用は抑えることができるでしょう。

ここまで読んで、マニュアルが無いことによる損失はかなり大きいことはもうおわかりなのではないでしょうか。不要論を唱える人はマニュアルが持つ本来の目的をもう一度振り返ってみていただきたいです。

マニュアルを活用されるようにするには?

ここまではマニュアルは指導にかかる時間を削るためということが本来の目的ということを書いてきましたが、もちろんマニュアルには指導以外にもたくさんの活用方法があります。
時間削減のためだけではないマニュアルの活用方法についてチェックしていきましょう!

1 教育に使用する

新人や初めてその業務を行う人にとって、教育や指導がなければその業務を行うことは困難でしょう。
口頭で聞いて仕事を行えば仕事はある程度できるようになると思いますが、口頭だと指導してくれた人の「オリジナリティ」が加わってきます。そのため全員が同じ内容の仕事を行うことができなくなる可能性があります。

マニュアルがあれば常に決まった行動をとることができます。例えば「机を拭く」ということは誰にでもできますし、いちいち教えてもらうことではないでしょう。
しかし「机を拭く」という仕事が本来は「消毒液を使って右から左に机を拭く」という内容だった場合はどうでしょうか。
マニュアルが無い場合、「水拭きで右から左に机を拭く」「消毒液を使って机を拭く(拭き方の指導なし)」など指導者がオリジナルの指導を行うことに「机を拭く」という行為が人よってバラバラになってしまう可能性があります。

マニュアルがあれば指導する側も指導を受ける側もいつも正しい業務を行えるようになるのです。また、業務の引き継ぎを行う場合も、自分が行っているものと同じ業務内容を引き継ぐことができます。
まさに教育や指導にマニュアルを欠かすことはできないのです。

2 OJTに活用する

新人が新人のままでいることはできません。
一人前になるためにはたくさんの仕事を覚えていかなければなりません。

そこで多くの会社ではOJT(On the Job Training)を行っています。
OJTは従業員の育成方法の1つで、職場で業務を実践しながら覚えていく方法です。
このOJTで欠かすことができないのがマニュアルです。

OJTを行う際には業務の概要をまとめた「業務マニュアル」や指導者のための「OJTマニュアル」など多くのマニュアルが活用されます。
これらのマニュアルを使うことによって全体的に習得するべき業務内容を知ることができますし、どこまで業務内容を習得しているかを確認することができます。

そしてどこまで習得しているか、習得した内容をどのレベルで行うことができるかなどが見えるようになるので人事考課制度に利用することもできるのです。

3 リスクを防止のために活用する

例えば自分が勤めている店で急に人が倒れたら、火災が起きたら、地震が起きて電気が止まってしまったら…どう動きますか?
こういった緊急事態の対応についてもマニュアルが必要です。

緊急事態の初動対応は非常に重要ですので、まず何をしなければいけないのか、どこに連絡をして助けを求めれば良いのか、助けが来るまではどのような対応をすれば良いのか。
何も知らなければパニックになってしまい、冷静な行動がとれなかったり動けなくなったりしてしまう可能性があります。

避難訓練を行っている会社は多いのではないかと思いますが、それだけでなくマニュアルに沿って正しい行動をとることができるかどうかも確認しておくことが大切です。

まとめ

このように、マニュアルはただ教育などに使われるだけではありません。
マニュアルがあることによって従業員が正しい業務を行えるようになります。指導の手間も省けるので指導者が業務を行う時間も増えます。
また、業務全体を把握してどこまでできるようになっているかを知ることもできますし、緊急事態に正しい行動を行うことができるようになります。

マニュアルは非常に重要なツールなのです。
不要論を唱える前に、本来の目的をもう一度見直してみていただきたいものです。

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