人手不足問題とは? 人材採用や離職率課題、対策を徹底解説

人手不足の職場

少子高齢化が進んでいる日本では、現在多くの企業が人手不足の問題に頭を抱えており、中には人手不足倒産をしてしまう企業もあります。人手不足はなぜ発生してしまうのでしょうか?

この記事では、企業が人手不足に陥る原因と問題の解消方法について説明したいと思います。

目次

人手不足の現状

業務過多のビジネスマン

急速に少子高齢化が進んでいる日本は総人口が2008年から減少し続け、総務省の情報通信白書(平成30年度版)では、1997年には65歳以上の人口が14歳未満の人口の割合を上回りました。

生産年齢人口である15歳〜64歳の人口は2017年度段階では総人口の60%ですが、2040年には53.4%まで減少することが予測されています。今後も労働人口は国全体で減少していくということです。

実際に人手不足を感じている中小企業は年々増えており帝国データバンクの調査結果によれば、ついに2018年には半数以上の中小企業で正社員が人手不足だと感じているという結果になりました。この数値はこの数年間は過去最高記録を毎年更新しており、業種別には「放送」「情報サービス」「運輸・倉庫」「建築」などが高い割合を占めています。

人手不足がもたらす企業への影響

人手が不足している状態が続くと、企業にはどのような影響を与えてしまうのでしょうか?人手不足の企業で発生する問題を理解しておきましょう。

既存の社員の負担・ストレスが増える

人手が足りていない企業では、どうしても既存の社員が多くの業務量を抱え、社員一人一人の肉体的・精神的な負担が増えます。やがて残業や休日出社が増えて社員の疲労やストレスがたまると、結果的に処理能力が下がってしまうおそれもあるでしょう。

つまり、人手不足を原因として既存の社員のパフォーマンス・業務効率が下がるという悪循環に陥ってしまうのです。

新しい事業の展開や拡大が出来ない

人材不足の企業では現状の業務を維持することだけで精一杯になってしまい、新しい事業を展開・拡大させることが出来ません。消極的な事業展開を進めるうちに他社との競争力に欠け、必然的に業務を縮小しなくてはいけない状態になってしまう場合もあるでしょう。

経営が苦しくなればなるほど就労状況の改善も困難になり、人手不足の状態から脱却することがより難しくなります。

人手不足の原因とその理由

日本全体が労働人口の減少という問題を抱えていると最初にお伝えしましたが、全ての企業が人手不足なわけではありません。それでは、人手不足が起こってしまう企業にはどのような原因があるのかを説明しましょう。

原因がはっきりしなくては、対策を考えるのも難しくなってしまいます。

求人をかけても人材が集まらない

一般的には企業が人手不足になると人材を募集をすると思いますが、求人をかけても人材が集まらない場合があります。その理由には労働に見合わない賃金や同業他社に比べて労働条件が悪いなどの問題が考えられます。

日常的に求人を行うと経費もかかってしまいますし、採用活動には一定の労力も必要です。

人材の流出を抑えられない

新しい人材を募れない理由と似たものですが、労働条件や賃金に問題があれば人材が離れていきます。それ以外にもやりがいを感じられない業務内容・評価制度や教育制度が整備されていない環境なども退職理由になるでしょう。

優れた人材と同時に業務のノウハウも失ってしまうと、通常の業務もうまく進められなくなるのです。

団塊世代の引退

1940年代生まれの団塊世代が一気に定年を迎える時期が過ぎた今、労働市場から多くの労働者が減少しました。2030年頃には団塊世代の子供たちが定年を迎えるので、さらに労働者が減ってしまうことが予測されています。

人手不足の解消法

ここでは人手不足の問題を解決する方法を紹介します。人手不足の原因は一つに限らず、いくつもの要因が重なっている場合がありますので、自社に最適な方法を複数取り組む必要があるでしょう。

1 業務を効率化する

人手不足が解消されないとしても業務を見直し、業務に必要な人手自体を減らせれば人手不足が問題ではなくなります。具体的な業務の効率化の方法には慣例化されている無駄な業務を減らす・他社に任せられる業務をアウトソースする・IT化出来るものを機械に頼るなどの方法が考えられます。

業務全体が効率化すれば既存の社員の負担を減らす効果もあるので、人材流出の抑制も期待出来るでしょう。

2 今までにない採用方法を探る

今は採用方法も多様化しています。通常の面接以外にもスカウト制度を利用する・採用代行を利用する・Web面接を導入するなどの非常に多くの方法で採用活動が出来るのです。

採用の作業自体を効率化して採用活動にかかる人材を減らせれば、その他の部署の不足している人材を補うことも出来、行き詰まっていた採用活動をよい方向に進められる可能性もあるでしょう。

3 働きやすい環境を用意する

自社で用意されている評価制度・教育制度に社員は満足出来ているのかを考えます。もちろん会社の設備などの労働環境の見直しも大切ですが、まずはしっかりとした教育制度と社員のやる気を引き出す評価制度を整えることで、働きやすさが改善されます。

経営者・管理者の立場では自社内の問題に気がつけない可能性もありますので、第三者の意見を取り入れることがおすすめです。

4 今まで雇用対象でなかった人材を募集する

時短勤務・フレックス制度・在宅勤務制度などの勤務形態を用意し、通常の働き方では対応が難しかったタイプの社員のために働きやすい環境を整えるという方法もあります。

今までに主戦力としていなかった育児中・介護中の社員・高齢者などを雇用対象にすれば、人手不足を解消出来るだけでなく別の視点から新しいアイデアを募ることも可能でしょう。

人手不足の解消と成功事例

ここからは、実際に人手不足の解消に成功した例を紹介しましょう。それぞれ業種の違う3つの成功事例を説明しますので、自社で活用出来るものがあれば、ぜひ取り入れてみてください。

セブンイレブン

大手コンビニチェーンのセブンイレブンでは、人手不足の対策のためにセルフレジ・業務のIT化などを進め、少ない人材でも業務を進められるように工夫を凝らしています。このような取組は、加盟店のオーナーの高齢化問題への効果も期待されているのです。

スシロー

回転寿司の店舗運営をしているスシローでは、人手不足を補うために最新のシステムを導入しました。

自動会計システムを搭載したことにより、従業員が会計に時間を割く時間を節約出来るようにしたのです。さらに持ち帰り用の寿司にはロッカーが準備され、テイクアウトの対応も効率化されています。

ヤマトホールディングス

運輸業を行なっているヤマトホールディングスでは、主婦が働きやすい環境を整え、女性を積極的に採用し人手不足に対応しました。また、IT技術を用いて荷物情報をデジタル化するなどの方法で効率よく集荷・集配作業が進められるようにし、人手不足が問題視されている宅配業界の中でその問題を解消させることに成功したのです。

まとめ

企業で年々悪化し続けている人手不足の問題に対して、その原因と解消法を説明いたしました。人手不足の問題は早い段階で対処しなくては、解消がより困難になってしまいます。

人手不足の解消に成功した企業の事例も参考に、可能な限り早い段階で自分の会社に最適な方法で人手不足の問題を解消しましょう。

 

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