辞めないアルバイト・スタッフの人材育成のポイントと対策

「アルバイトを採用しても、すぐに辞めてしまう」といった悩みを持つ経営者や採用責任者は多いのではないでしょうか。アルバイトの雇用・育成にはコストや時間がかかるため、すぐに退職されてしまっては、企業は損失を被ります。人手が足りず、現場が回らなくなることもあるでしょう。では、アルバイトに長く働いてもらうには、どのような工夫をしてどのように人材育成を行えばいいのでしょう。

そこで今回は、アルバイト育成にあたってのポイントをご紹介します。

人手不足が深刻に

人手不足

近年、あらゆる企業における人手不足が叫ばれています。中でも、人手不足が深刻な以下のような業種は、「人手不足産業」と呼ばれています。

主な人手不足産業

  • 運輸業・郵便業
  • サービス業
  • 医療・福祉
  • 宿泊業・飲食サービス業
  • 建設業

このような業種では、従業員の欠員率が5%にのぼることもあり、労働者の負担が増えたり仕事が回らなくなったりと、小規模企業を中心に、業務に支障が起こっています。
特に、「宿泊業・飲食サービス業」や「サービス業」、「医療・福祉」産業などは一昔前から人手不足が問題視されてきました。そして近年では、ネットショッピングの普及により、「運輸業・郵便業」の人手不足も進んでいます。

また、「宿泊業・飲食サービス業」や「サービス業」、「医療・福祉」産業は離職率が高いのも特徴的です。アルバイトを含むパートタイム労働者の全体の離職率は約25%にも及ぶため、パートタイム労働者を中心に雇用している企業では特に、早期離職に頭を悩ませるケースが多いでしょう。
このような人手不足を根本的に解消するためには、ただ人材を採用するだけではなく、早期離職を防止するための、環境整備や人材育成を行う必要があります。

長く働いてもらうための工夫

職場環境

前述の通り、アルバイトをはじめとしたパートタイム労働者の離職率は高く、毎年全体の4分の1近くが離職しています。では、アルバイトの離職率を下げ、長く働いてもらうにはどうしたらいいのでしょうか。ここからは、アルバイトに長く働いてもらうための工夫について5点ご紹介します。

1 教育する体制を整える

アルバイトに仕事を教える際に、「見て覚えて」「わからなかったらその時に聞いて」と、アルバイト自身に投げてしまうのはNGです。まず必要なことを説明し、わからないことがあるかどうか育成担当者から新人へ確認することが大切です。

このようにアルバイト育成には、手順とポイントがあります。アルバイトにきちんとした教育をせず放置していては、まずアルバイトは成長しません。まずは教育に適した育成担当者を選定する必要があります。

また、教育担当者が仕事を教えやすいようにマニュアルや手順書を整備したり、覚えてほしい仕事内容に漏れが無いようにチェックリストを活用したりするなど、教育しやすい環境の整備も必要です。

2  評価と期待を表現する

アルバイトに長く働いてもらうためには、アルバイトのモチベーションを高く保ち続けられるような、上司となる社員や責任者からの表現が大切です。
多くのアルバイトは社会経験が少なく、自分の仕事における価値に不安を持っています。その不安を払拭すべく、仕事に対する評価や期待を上司から口に出して伝えることが大切です。

評価され、その現場に必要とされていると感じられれば、アルバイトはやりがいと責任感を持って仕事を続けてくれる可能性が高くなります。
また、体系的な評価制度を作り、時給アップを行うなど、スキルアップや評価を目に見える形で表現するのもひとつの方法でしょう。

3  初期のフォロー体制

離職者は、仕事を始めて1〜3ヶ月の時期に多いと言われています。想像していた仕事・環境と現実の差に戸惑ったり、できない業務に挫けたりといった「壁」に突き当たるためです。
この時期の離職を防止するためには、上司や先輩アルバイトによるフォローが大切です。コミュニケーションをしっかりと取り、新人アルバイトが気軽にわからないことを質問できたり、悩みを相談できたりする関係性を現場で構築していく必要があります。

また、定期的な面談を実施するのもいいでしょう。アルバイトの中には、自ら悩み相談を切り出すのが苦手な人もいます。しかし、予め面談の機会が設定されていれば、質問や相談はしやすくなります。

4  環境の整備

環境整備も、アルバイトに長く働いてもらうためには必要です。
アルバイト・パートには、学生や主婦、フリーターなど立場が異なる人が多く、ライフスタイルも異なります。そのため、多様な働き方ができる環境作りは、長期雇用に有効でしょう。例えば、労働時間を柔軟に調整したり、急なシフト変更に対応できるチャットグループを作ったりと、それぞれの立場を尊重したシフト組みを行えば、アルバイトの満足度は向上します。
また、バックヤードを整理整頓し、アルバイトが休憩できる環境を整えることも、環境整備のひとつです。

5  良好な人間関係の構築

離職理由としてよく挙げられるのが、「人間関係の悪化」です。さまざまな立場、年齢、キャリアの人がいる職場では、どうしても人間関係のもつれが起きやすく、近年では各種ハラスメントも問題視されています。研修の段階で育成担当者と合わないと、辞めてしまうアルバイトも少なくありません。
職場によって、人間関係を良好に保つための具体的な方法は異なります。しかし、コミュニケーションを取りやすい環境を作ったり、人材に合わせた育成担当者の選定を行ったりと、責任者には現場任せにしない良好な人間関係構築のための工夫が求められます。

仕事を教える時の手順とポイント

ベーカリー

この章では、アルバイトに仕事を教える時の手順およびポイントについてご紹介しましょう。

1 仕事の理解を深めよう

アルバイトに仕事を教える時には、作業だけでなく、「なぜその作業が必要なのか」ということをきちんと伝え、仕事に対する理解を深めるようにしましょう。
理由や目的を理解していなければ、アルバイトは教えられた作業を行うだけで、状況に応じた柔軟な対応ができなくなってしまいます。作業だけを教えた方が育成時は楽かもしれませんが、仕事を深く理解したアルバイトは、後に大きな戦力となるでしょう。

2 マニュアルや手順書の活用

仕事内容を教える際には、マニュアルや手順書をあらかじめ用意し、活用すると良いでしょう。
マニュアルや手順書があることで、アルバイトを含めた従業員全員が一定のサービスを提供することが可能になりますので、整備していなければ必ず作成するようにしましょう。仕事を教えてもらう側としても、ただ口頭で説明されるよりも理解がしやすくなり、復習したり、現場で困った時に確認したりすることが可能になります。
また、文章だけでは分かりにくい場合は、画像や動画もマニュアルに取り入れるといいでしょう。

3 従業員同士のコミュニケーションに力を入れよう

アルバイト育成時には、ただ仕事内容を教えるだけではなく、従業員との関係構築をサポートすることも必要です。従業員同士の会話の機会やコミュニケーションツールでのグループなどを作り、新人アルバイトと既存アルバイト、社員が活発にコミュニケーションを取れるような環境を作りましょう。
円滑なコミュニケーションにより、新人既存含めた従業員同士の関係が築ければ、育成担当者だけでなく、周囲の従業員みんなで新人アルバイトをサポートできます。すると、手厚い人材育成も良好な人間関係も実現できます。

4 評価して昇給も検討を

アルバイトに仕事を教える時には、できたことに対する評価をしっかりと行うようにしましょう。評価にアドバイスを交えれば、アルバイトのやる気を削ぐことなく、指導を行うことができます。評価は口で伝えることはもちろん、スキルチェック表など、視覚的にスキルアップを実感できるような仕組みを作るのもいいでしょう。
また、新人アルバイトには研修を設け、研修後に時給をアップする、その後もアルバイトのスキルアップに応じた昇給を検討するなど、新人アルバイトだけでなく、既存アルバイトのモチベーションを高める仕組み作りも大切です。

まとめ

人手不足が深刻な昨今において、アルバイトは重要な労働力です。アルバイトが長く勤務したくなるような環境を作ることは、人手不足の解消に加え、業務の質の向上にも繋がるでしょう。また、長く勤務したアルバイトが社員になる可能性もあります。アルバイト育成は、少し時間と手間をかけてでも、丁寧に従業員みんなで行うことが大切です。仕事に対する理解が深まり、人間関係も構築できれば、アルバイトの定着率は向上するでしょう。