接客マニュアルとは?効果とポイント・動画活用を解説

世の中では多くの方が接客業の仕事に就かれています。
飲食店やデパート、スーパー、アパレルショップ、携帯ショップ、テーマパークなどその種類は様々です。

そして接客業の多くは接客マニュアルを備えていると思います。
「どこ行ってもだいたい同じことをしているしマニュアルなんかいらないのでは?」と思われるかもしれませんが、実は重要な目的があるのです。

ここで接客マニュアルの重要性を確認しておきましょう。

目次

接客マニュアルは、なぜ必要か?

接客マニュアルはただ接客をするためだけに必要なわけではありません。
接客マニュアルを実行することによって

  • 業務を円滑に遂行する
  • 店舗運営の生産性を上げる

ことが目的となっているのです。

具体的にどういった効果があるのかというと以下のポイントが挙げられます。

コスト削減

一発目にこれ?と思われるかもしれませんが、マニュアルが持つ重要性には、まずコスト削減が挙げられます。
なぜコスト削減になるかですが、人材育成をするということは教育を担当する人間がいるということです。
教育担当といっても同じ仕事をしている先輩なので、当然その人達も仕事を持っています。教育している間は少なからず自分の時間を削られますので、残業して対応することなどもあるでしょう。他にも研修費用など教育には経費が必要です。
そこで統一されたマニュアルが役に立ちます。
マニュアルを用いて教育を行えば一から十まで教える必要は無くなりますので、教育担当や研修の育成コストの削減ができるというわけです。

新人を即戦力として育てることができる

コスト削減の内容に繋がるのですが、きちんとしたマニュアルがあれば基本となる業務をマニュアルから学ぶことができます。
マニュアルが無い場合は教育担当から学ぶことになりますが、そうなってしまうと教育担当のレベルや能力によって新人に教える内容に大きな差が生じてしまいます。
マニュアルに沿って基本業務を覚えていくことができれば、全員が同じ質の業務を行うことができるようになります。
新人を即戦力として育てることも可能というわけです。

業務の均質化

マニュアルがないと、従業員がそれぞれ自分のマイルールで業務を行うようになってしまいます。
例えば、お客様に対する「いらっしゃいませ」という挨拶1つでも『両手を身体の前で揃えて30度の角度で「いらっしゃいませ」と笑顔で挨拶する』という決まりがあるのとないのでは全く異なります。
たった1人の従業員のたった1つの挨拶と思うかもしれませんが、その印象次第でお客様が再度来店するかどうかが決まることもあり、これは接客業においてはとても重要な問題なのです。
全員が同じような素晴らしい挨拶ができれば、たった1つの挨拶が原因でお客様を逃がしてしまうことはなくなるでしょう。
例えは、かなり小さな内容でしたが、このように均質化はとても重要なことなのです。

ビジョンを共有する

ただマニュアルを守って接客するだけよりも、企業や店の理念・ビジョンを経営陣と共有したほうが接客の質を向上するためには効果的です。
企業や店が目指す方向性、お客様に対する思いなどを従業員全員の意識に浸透させるためにもマニュアルはとても重要です。

顧客満足度を上げる

最終的にはここにたどり着きます。
接客は顧客満足度に直結します。お客様が欲しい商品があって、その商品がどれだけ素晴らしいものだったとしても、接客ひとつで購買意欲が低下したり、店自体の印象が悪くなってしまったりすることは多々あることです。
顧客満足度が下がると言うことは、再度来店してもらえる可能性が少なくなるだけではありません。今やネットの口コミは当たり前に書かれてしまいますので、評価が低くなればなるほど新規の顧客を逃す結果になることも考えられます。
つまり、最終的に顧客満足度を上げる=売上につながるということになります。

接客マニュアルの重要性、おわかりいただけましたでしょうか?

接客マニュアルに記載するべき内容

接客マニュアルを備えていたとしても、ポイントとなる内容を押さえておかなければ意味がありません。
ここで記載すべき内容についてチェックしていきましょう。

スローガン

企業にはそれぞれ目標があります。
目標が「活気あふれる接客をする」と「お客様が安心できる空間をつくる接客」とでは求められる接客の内容が異なります。
どういった接客を求めているのかと言うことを、解釈を間違えることがないようにはっきりとした言葉でマニュアルに落とし込むことでスローガンを浸透させる必要があります。

言葉遣い・マナー

業務ごとにお客様に伝える言葉などを明文化しておくことによって、状況に対応した適切な言葉遣いができるようになります。
言い方1つで嫌な思いになることもありますので、言葉遣いというのは非常に重要なポイントです。

また、接客する際には基本的なマナーが欠かせません。
接客経験をしたことのない新人にとって、そのマナーを必ずしも実践できるとは限りません。
挨拶するときのお辞儀の角度や好感をもたれる笑顔の作り方、売場案内する際の手の動きなど細かすぎるところまでマニュアル化すると言葉遣いやマナーが身につきやすいものです。

対応の方法

お客様が来店した時点から接客は始まります。
かけられる第一声次第で印象づけられると言っても過言ではありません。

また、レジはお客様が最後に向かう場所です。
そこでもたつかれたり、印象が悪い対応をされたりしてしまうと「お金を払うのに…二度と来ない!」と思われてしまっても仕方ありません。
レジでの対応もお迎えからお見送りまで、詳細に明文化しておいたほうが良いでしょう。

商品知識など

自分が扱う商品やサービスの知識は必要不可欠です。
商品などの詳細を知りたいお客様の質問に答えることができないというのでは接客の意味をなしません。
マニュアルに全部を取り込むことは不可能ですが、基本となる商品やサービス内容については記載しておいたほうが良いでしょう。

クレーム対応

クレームを受けた際にニヤニヤする人は居ないと思いますが、申し訳なさが欠ける対応をしてしまったらお客様を怒らせてしまいます。
申し訳ない気持ちを伝える方法、受けた後の対応についても記載する必要があります。

業種別のポイント

接客ポイントは業種ごとに異なります。
特に接客によって売上が左右されるような業種についてポイントを押さえておきましょう。

アパレル業界

アパレル業界の接客は、お客様が求めるものを正しくヒアリングして把握することが大切です。
まずはお客様が着ている服や視線の先にあるものをしっかりと観察します。
それから家族構成、ライフスタイル、どういった思いで服を買いに来たのかなどを理解して、お客様に合った衣服を希望する形で提案する分析能力やプレゼン能力は接客するうえでとても重要です。

一方、「一人でゆっくり見たい」など過度な接客や提案を嫌がるお客様もいらっしゃいます。ちょうど良い距離感も必要です。

このようにスタッフの対応や信頼感によって購買意欲は左右します。
マニュアルには「顧客が求めるものをヒアリングする話法」や「悩みを解決する提案方法」など、言葉遣いやマナーに留まらず、実践的に使えるノウハウを盛り込むことで新人スタッフの即戦力化を行えるようにすることが大切です。

飲食業界

例えばファミリーレストランと高級料理を出す割烹店では、お客様が求める内容は異なります。そのため「楽しい時間を過ごしたい」のか「ゆっくりと満足できる時間を過ごしたい」のかという点を考えなければなりません。

来店前の期待を上回る接客をすることができれば顧客満足度は高くなります。例えば「小さいお子様が来店されたら子供用の椅子やお皿が必要か伺う」「お客様がご来店されたら上着を預かり、席にご案内した後は椅子を引いて座っていただく」といったように細かく記載しておきます。

お客様のニーズに合わせた細やかな気配りを実現するためにマニュアルには業務フローの網羅だけでなく、企業や店がお客様に提供したい接客や気配りが身につく構成にすると良いでしょう。

小売業界

小売業界とひとまとめに言っても多くの種類がありますが、共通して言えることは商品や製品、サービスに関する知識を求めるお客様にきちんと説明ができるかどうかという点です。
商品が自ら喋ることはありませんし、商品の質はどの店でも変わりませんので、接客力が顧客満足(と売上)に直結することになります。

製品や業界の知識・トレンド・将来性といった専門知識は欠かせません。
小売業界の場合は、接客マニュアルの中に専門知識を得ることができる内容を含めると良いでしょう。また、その知識を上手に伝えて顧客の購買意欲につなげる話法も盛り込むとなお良いでしょう。

接客マニュアルには動画の活用を

接客マニュアルは、紙のマニュアルよりも動画の方が実際にどういった接客をすれば良いのかわかりやすいので、動画の活用がおすすめです。

前述したメリットにあるように教育担当の時間を割くこともありませんし、接客の質を均質化することができます。
また、紙で見るよりも理解がしやすく、育成速度が速くなるというメリットもあります。

今やYouTubeなどで接客マニュアル動画を公開する企業もあるほどです。
もはや動画を活用しない手はありません。

まとめ

お客様のために、そして企業のために、質の良い接客は欠かせません。
そのために接客マニュアルは非常に重要なツールです。
動画を利用するなどして、一流の接客をできるようなマニュアル作成を行っていきましょう!

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