効率的な社員スタッフ教育を実現|研修動画の活用と作成方法を解説

現場でのOJTや集団研修など、企業では研修を通し、多様な社員教育が行われています。そしてその中では、資料やマニュアルをもとにした座学や実務を再現するロールプレイング、自宅学習ができるeラーニングといった手法に加え、研修動画がよく活用されています。
では、研修動画を活用することには、受講者や指導者に対するどのようなメリットが期待できるのでしょうか。
今回の記事では、社員教育における研修動画の活用について、メリットや作成のポイントなどを詳しくご紹介します。

目次

研修動画を活用するメリット

研修動画を活用することには以下のようなメリットが期待できます。

受講者側のメリット

まずは、研修受講者側の4つのメリットについて見ていきましょう。

1 優れた学習効果が得られる

動画は、視覚的効果が高いツールです。資料に文字が並んでいる場合と比べ理解しやすく、内容もイメージしやすいため、受講者は優れた学習効果を得られます。
文字では教えにくい仕事も動画なら具体的な表現で伝えられ、受講者は動画を参考に、行動に移しやすくなります。

2 場所や時間を選ばず学習できる

研修動画は、集団研修やセミナーなどと異なり、場所や時間を制限されない点もメリットです。特に、パソコンやタブレット、スマートフォンなど幅広い端末で動画を見られるので、その利便性は格段に上がります。
場所や時間の制限がなくなることは、テレワークが一般的になった現在のビジネス形態に即していると言えるでしょう。

3 心理的ハードルの低さ

実際に対面して行う研修に比べ、研修動画による研修は、受講者の研修に対する心理的ハードルを下げます。対面研修の場合、緊張して構えてしまったりして、頭が回らず普段のパフォーマンスが発揮できなかったりすることもあるでしょう。
研修動画による研修であれば、受講者は安心して研修を受けられ、その内容を集中して学ぶことができます

4 自分のペースで学べる

研修動画のメリットとしては、自分のペースで学べるという点も挙げられます。動画は、見直しが可能だからです理解できなかった部分を見直したり、予習・復習に用いたりと、研修動画を自分のペースで利用できれば、理解度は高まります。
また、時間や場所の制限がないことにより、忙しい人でも隙間時間を見つけて、自分のペースで学習することができます。

指導者側のメリット

次に、研修指導者側の3つのメリットについてご説明します。

1 教育の質を均一化できる

対面での指導は、指導者によって教え方や教える内容が異なり、全ての受講者に均一の教育を提供できない点が課題です。
一方、研修動画を用いれば、すべての受講生が同じ動画を見て学習するため、教育の質を均一化できます。これにより、教育の質の不均等により発生する成長度合いの差を防ぎ、すべての受講者を効果的に成長させることが可能になります。

2 指導者の負担を削減できる

社員育成の指導者は、普段の実務に加えて指導役を担っていることがほとんどです。精神的にも体力的にもこの負担は大きいでしょう。
しかし、研修動画を用いた研修を導入すれば、指導者は自身で一から十まで指導する必要がなくなります。そうすれば、研修やその準備による指導者の負担は減らせるでしょう。

3 コスト削減

研修やセミナーを対面で行おうとすると、用意のための人件費や場所代、セミナーの講師代、交通費など、多くのコストがかかります。
研修動画による研修であれば、これらのコストは必要ありません。動画作成時に多少のコストはかかりますが、一度動画を作成すれば、それを長く活用することも可能です。
長期的に見れば、研修動画の活用はコスト削減に繋がるでしょう。

研修動画の種類

研修動画で使われる主な動画は、以下の4種に分けられます。これらはそれぞれ目的の異なる動画であり、用途に応じて使い分けられます。

①マニュアル型

マニュアル型動画は、自社マニュアルの内容を動画にしたものです。仕事の流れや全体像を始め、企業理念や企業ルールなど、マニュアルに沿った内容で進められます。視覚化されることで、従業員のマニュアルに対する理解は深まるでしょう。
また、接客業では接客の仕方や注意点をマニュアル動画としてまとめているケースが多く見られます。動画にすることで、従業員は具体的なイメージを持って接客を学べます。

②セミナー型

授業のように、教える内容をまとめたセミナー型の動画は、新人教育研修やマナー研修、スキルアップ研修などあらゆる社員教育に活用されます。セミナー型動画には、講師が画面越しに指導する形のものも、集合研修を撮影したものも、内容がまとめられたパワーポイントをそのまま動画にしたものもあります。
実際の研修のように学べる点で、セミナー型動画は社員教育に有効です。

③自社製品・サービス紹介型

自社製品やサービスを紹介するための動画も、研修では活用されます。自社の製品やサービスを知ることは、社員教育にとって必須でしょう。
自社製品・サービス紹介型の動画は、特に新商品や製品の使い方などの把握に有効で、それらは営業や販売に生かされていきます。

④メッセージ、ドキュメンタリー型

経営者や上司、先輩からのメッセージ動画や従業員が実際に働く様子をまとめたドキュメンタリー動画も、研修では使用されます。メッセージによるモチベーション・エンゲージメントの向上、またドキュメンタリー動画による具体的な業務イメージ習得などが、その狙いです。

研修動画を制作する際のポイント

研修動画は、以下のような点に気をつけることで、より効果的な作成が可能になります。

ポイント1 目的を定めた動画制作を

研修動画を制作する際には、まず動画作成の目的を明確にしておく必要があります。「何を誰に伝える動画なのか」を明らかにした上で構成を練りましょう。
目的が定まっていない動画は伝えたいことが伝わりにくく、全体的にまとまりのない動画になってしまいます。
目的やテーマが複数ある場合には、目的によって動画を分けるようにしましょう。

ポイント2 長い動画は×、明確で簡潔な研修動画を

だらだらと長い動画は、研修動画には向きません。受講者の集中力やモチベーションを損ね、内容もわかりにくくなってしまいます。
動画は伝えたいことを明確に伝えられるような内容にし、ひとつひとつのコンテンツは簡潔に作成しましょう。
また、専門的な言葉は避け、誰にでもわかりやすい表現を心がけることも大切です。補助用の資料を用意しておくのも良いでしょう。

ポイント3 ただ動画を見るだけにならない工夫を

研修動画の活用には多くのメリットがありますが、動画の内容によっては受講者が「他人事」として動画を見てしまう可能性があります。当事者意識を持って見なければ、動画の内容は頭に入りにくく、イメージもしにくいでしょう。
受講者に当事者意識を持たせるためには、途中で課題やグループワークを行ったり、映像によるリアルな演出を加えたりと、受講者自らがテーマについて考えるアクションを加えることが大切です。
ただ動画を見るだけでなく、主体的に参加させる工夫が、研修動画には必要です。

ポイント4 具体的な行動に繋がる内容に

研修動画の作成においては、動画を見た受講者が具体的な行動へと繋げられるかどうかが重要なポイントになります。そのためには、前述のように当事者意識を持って動画を見られるような工夫をすることはもちろん、動画の中で自身の取るべき具体的な行動を把握できると良いでしょう。

例えば、動画の中で問いかけに答えたり行動を振り返ったりすることは、課題や取るべき行動の把握に繋がります。そして、目標設定についても触れれば、動画を見た後の受講者の頭の中には、課題や目標をクリアするための具体的行動という、主体性を持って動くための枠組みが整うわけです。
動画の構成は、具体的な行動に繋がりやすいよう構成しましょう。

研修動画制作の手順

ここからは、研修動画の主な制作手順についてご紹介していきましょう。複数の工程がある中でも、特に手順2の工程は重要です。研修内容の整理や要素の洗い出しは最終的な動画の質を左右するため、慎重に行うようにしましょう。
また、このような動画制作は、自社で行うこともあれば、動画制作会社に依頼し、打ち合わせを重ねながら行うこともあります。

手順1 研修の目的・カリキュラムの決定
研修の目的を明確にし、各研修のカリキュラムを決定。伝えたいことを分解して研修ジャンルごとに分け、研修の内容やコンテンツをまとめる。
手順2 研修内容の整理、要素の洗い出し
各研修における、構成要素や伝いたい事の洗い出しを行う。
手順3 絵コンテ作成
どんな動画を制作するのかを表した絵コンテを作成する。
手順4 研修資料作成
動画の中で使用するパワーポイントなどの資料を作成する。
手順5 撮影
ここまで決めてきた内容に従って、動画を撮影する。
手順6 編集・ナレーション
動画の編集作業やナレーション入れを行い、最終確認をクリアすれば、完成。

まとめ

研修動画は、受講者側にも指導者側にもメリットをもたらす研修方法です。動画制作にあたっては、ただ映像を流すだけでなく、より効果を高める工夫をし、受講者の行動を引き出すような内容・構成を目指しましょう。動画やツールをうまく活用し、より効果的な社員教育を行えば、それはやがて企業の成長へと繋がります。

また、作成した動画は情報共有ツールを用いて共有すると便利です。他の様々なマニュアルも併せて1つのツールの中で確認できるようにすれば、研修動画やマニュアルの保管場所に迷うことなく、簡単にアクセスすることができるようになるでしょう。

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