動画をマニュアルに活用することは、多くのメリットがあります。文章や写真だけでは伝えるのが難しいことでも、動画であれば、はるかに分かりやすく伝えることができます。動画の中でも、最近では横型の動画ではなく、縦型の動画も定着し一般的になっていますが、縦型動画はマニュアルに有効なのでしょうか。
この記事では、縦型の動画をマニュアルに活用するメリットについて、縦型動画が定着した背景とともに説明します。動画を使ったマニュアルを検討している方は、ぜひご覧ください。
縦型動画が増えている背景
縦型動画が増えてきた背景にはどのようなものがあるのでしょうか。
1 スマホを縦に持ったまま動画を視聴する人が増えた
スマホを持つ人口が増え、動画配信サービスもアプリなどスマホでの視聴を前提としたサービスを提供するようになり、多くの方がパソコンではなくスマホを利用して動画を視聴するようになりました。そのような中で、スマホを縦に持ったまま動画視聴をするという方が年々増えています。
※モバーシャル株式会社「第5回 スマートフォンの動画視聴実態調査」より引用
このデータを確認すると、スマホで動画視聴をする時に、スマホを縦にしたままにする方が2017年から2018年にかけて10%近く増えていることが分かります。
年代別・性別の調査結果によると、男性よりも女性の方が縦向きで視聴する人が多く、また20代の方がより縦向きで視聴する傾向にあることがわかりました。
※モバーシャル株式会社「第5回 スマートフォンの動画視聴実態調査」より引用
2 縦型動画を扱う動画配信・共有サービス・SNSストーリーズが生まれた
代表的な動画配信サービスであるYoutubeとは別に、TikTok・C CHANNELなどの比較的短い時間でリアリティのある動画を配信するサービスが生まれ、特に若い世代から人気を集めています。このような新しい動画配信サービスの多くは縦型動画を推奨しており、動画の配信者・視聴者ともに縦型動画をメインとして考えているのです。
縦型動画は横型動画に比べて臨場感があるため、動画の視聴者と配信者の距離が近いように感じられるというのも、その人気の理由でしょう。
同じようにリアリティのある動画を配信する方法として、Instagram・Facebook・TwitterなどのSNSで縦型動画の配信サービス「ストーリーズ」も定着しました。ストーリーズでは、通常の投稿とは別に一定期間だけ縦型の動画や画像を公開出来るようになっています。
3 SNSを起点に動画を視聴する機会が増えている
縦型動画が増えている背景には、視聴者が動画を視聴する起点が変化していることも影響しています。
2016年に比べて2018年には動画視聴サイトや検索エンジンを使用した動画検索は減少し、SNSを起点とした動画視聴が大幅に増えていることが分かるでしょう。
※モバーシャル株式会社「第5回 スマートフォンの動画視聴実態調査」より引用
SNSで共有される動画は、縦型動画がメインになります。SNSを起点に縦型を視聴する機会が増え、スマホで見る動画として、縦型動画が一般的となったと言えるでしょう。
縦型動画のメリット
横型動画に比べて縦型動画にはどのようなメリットがあるのでしょうか?ここからは、縦型動画のメリットについて説明しましょう。
メリット1 スマホを横向きにする手間が省ける
横型動画を見るためには、通常縦に持っているスマホの画面を横にしなくてはフルスクリーンになりません。縦向きのまま横型動画を視聴すると、動画全体が小さくなってしまうため、動画内の細かな部分まで認識出来ないでしょう。縦型動画であれば何もしなくても動画をフルスクリーンで視聴可能となり、視聴者に不要な手間をかけずに済みます。
些細なことかもしれませんが、動画視聴のためにスマホの向きを変えない人が増えているということは、それだけスマホの向きを変えることに手間に感じている人が多いとも言えます。視聴者にとってスマホの向きは重要な要素だということを認識しておいてください。
メリット2 全身を大きく撮影することが可能
横型動画で全身を撮影すると左右に多くの余白が生まれ、特に動画マニュアルなどでは、確認して欲しい全体の動きが見えにくくなります。縦型動画であれば左右の余白なく全身を撮影出来るため、画面に無駄も生まれず、大きい画面で全身が確認できるので、分かりやすいでしょう。
メリット3 フルスクリーン表示で画面サイズが300%アップする
スマホを縦に持った状態で動画を視聴する場合、縦型動画の画面サイズは横型動画の300%にもなります。細かな部分まで映像で伝えられるので、スマホで視聴する動画であれば、縦型動画の方が圧倒的に分かりやすいと言えるでしょう。
動画を使って作業工程を説明する場合などにも、その内容を正確に伝えられます。
縦型動画をマニュアルに使うメリット
ご紹介してきたように、縦型動画はスマホで閲覧するのに適しています。
では、スマホで閲覧できる縦型動画を活用したマニュアルには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
メリット1 現場ですぐに確認できる
スマホでマニュアルが閲覧できれば、困った時にすぐに確認することができます。例えば、個人のお客様を相手にする店舗でのビジネスや工場での作業などでは、接客やお会計の仕方、作業の進め方など、動画マニュアルの方が伝わりやすい業務が多くあります。しかし、従業員1人に1台パソコンが支給されているケースは少ないでしょうし、パソコンでしか閲覧できないマニュアルであれば、一度現場を離れる必要もあります。
また、スマホであればほとんどの人が持っています。また、スマホであれば、パソコンと違い全員に貸与されている場合もあるでしょう。マニュアルに縦型の動画を利用すれば、分からないことがあった時に店頭や作業場ですぐにスマホを使って動画マニュアルを閲覧できるのです。
メリット2 スマホで撮影できる
縦型動画をマニュアルに使うことが出来れば、スマホで撮影した動画をそのまま利用することが可能です。
特別な機材などが一切必要なく、マニュアル用の動画撮影が可能です。スマホでの撮影であれば、慣れている人も多いため、難しく感じる人も少なく、手軽に撮影できるでしょう。
メリット3 全身の動きが分かりやすい
縦型動画自体のメリットでも触れましたが、縦型動画は全身を大きく映すことができます。
視覚的に分かりやすいことが特徴の動画マニュアルで、全身を大きく映すことができる縦型動画を使用すれば、より理解しやすいマニュアルになるでしょう。特に作業内容や動き全体を理解するためのマニュアルには有効でしょう。
縦型動画の事例
ここからは配信されている縦型動画を紹介しましょう。
縦型動画を視聴し、この記事で紹介してきた縦型動画のメリットや特徴を確認してみてください。
ミュゼホワイトニング:サービス紹介動画
15秒の短い縦型動画で、女性向けの綺麗なアニメーションで作られています。スマホで視聴すれば、派手な効果・音を使用していないのにインパクトのある動画だと感じられるでしょう。
音声だけでなく、アニメーション中のイラストも活用して伝えるべき内容をしっかり盛り込んでいます。
アリス・イン・ワンダーランド:映画宣伝用動画
スマホでの視聴を前提としており、自分のスマホ画面が映画の世界に入り込んだような感覚になる動画です。非常にユニークな試みだと言えるでしょう。
こちらは映画の世界を表現していますが、同じ手法でスマホ画面をそのまま使ったスマホ操作のマニュアル作成などに応用することも可能です。
ビズリーチ・キャンパス:サービス紹介動画
ビズリーチ・キャンパスは、大学のOB・OGをオンラインでつなぐサービスです。シンプルでいてスピード感のあるアニメーションと言葉を使い、視聴者にサービスの魅力を伝えています。
縦型画像が得意な表現である「奥行き」を強調した動画でもあり、見る人に強い印象を与えられるでしょう。
まとめ
縦型動画はスマホで視聴する動画として、一般的になっています。スマホでの視聴に適しているという縦型動画の最大の特徴を生かして、分かりやすい動画マニュアルを作れるといいでしょう。また、マニュアルの作成にはマニュアル作成ツールを活用するのが便利です。マニュアルの作成も、閲覧や管理も簡単に行えるようになるでしょう。動画マニュアルが作成できるツールもありますので、自社に最適なツールを探してみてください。