動画マニュアル制作は内製?外注?メリット・事例を解説

マニュアルと言えば分厚い冊子を渡されて、それを研修などで読む…というイメージがある方もいると思いますが、それはもう古いのかもしれません。
マニュアル作成を担当している方は、今や当たり前となっている動画マニュアルの作成を「内製化」するように依頼されたり、考えたりしているのではないのでしょうか?

動画マニュアルを内製化するメリットなどを知り、動画マニュアル制作を自社でやるのか、他社に依頼するのかの検討材料にしてください。

目次

動画マニュアルが普及している背景

動画マニュアルは企業の研修などで使われるだけではありません。
家電製品の取り扱い方法などお客様や代理店に向けたもの、新人研修や業務の委託先にあてたものなど社内向けに作成されるものもあります。

なぜ動画マニュアルを作成するのかというと、お客様や代理店向けのものはサービスや商品のサポートを冊子ではなく動画にすることによって「問い合わせ件数の削減」「顧客満足度の向上」「販売促進」といった目的で作成されています。
社内向けのものは一般的に「業務マニュアル」のことで、従業員教育が主な用途です。

ここまで動画マニュアルの普及が進んでいる背景には、インターネット環境が整備され、パソコンやスマホなど動画マニュアルを視聴することが出来る端末が普及したこと、コンテンツが充実したことによる動画視聴の習慣化が挙げられます。
中でも従業員向けに普及した背景としては、労働力不足や外国人労働者の増加によるものです。

そもそもマニュアルの目的としては「教育担当の負担を軽減すること」「業務内容の標準化・効率化」などの課題をクリアするものです。その手段として業務マニュアルを動画化することに注目が集まっているのです。
企業紹介など外部に向けて作成される動画と比較して、動画マニュアルは外部委託することなく自社で制作(内製化)しやすいものになります。

しかし内製化する必要はあるのでしょうか?
プロに外部委託した方が早いのでは…という意見もあるかと思いますので、内製化するメリット・デメリットなどを知っておきましょう。

内製化するメリット・デメリット

内製化のメリット

  1. 予算を抑えることが出来る
    動画マニュアルを外注した場合、約15~30秒の動画で数万円~が相場となります(動画の質や再生時間によります)。
    また、アニメ入りなど制作期間が長くかかるものについては、数十万円~数百万円になることもあります。動画制作を外部委託した場合は、スケジューリングから台本制作、撮影、編集などの作業費が含まれていますが、自社で制作する場合はこれらの作業費を人件費で賄うことが出来ます。
    機材などの経費は必要となりますが、作成費が必要ないため、最小限の予算で動画マニュアルを作成することが出来るのです。
  2. 社内でコミュニケーションを取りながら作成できる
    外部委託した場合、自社の希望が必ずしも委託先に100%伝わるわけではありません。
    意思疎通が上手く出来ていなかった場合は、希望する動画マニュアルが作成されない可能性があります。外部委託先との相性もあるかと思いますが、制作費を支払うのに思ったものが出来上がらなかったら損をしてしまうことになります。一方内製化する場合は、社内でコミュニケーションを取ることができるので、まず打ち合わせの時間を短縮することが出来ます。
    そして、動画マニュアル作成中にわからないところや確認したいことがあったら、すぐにコミュニケーションが取れますので、思うようにマニュアル作成を進めることができるでしょう。
  3. スケジュールを自分で調整できる
    外部委託する場合は、制作会社のスケジュールに沿って確認作業や撮影が行われます。
    お互いにスケジュールを合わせているため、何かあっても急な変更は容易に行うことが難しくなります。内製化の場合は、制作会社のスケジュールに合わせる必要がありませんので、予定を変更しなければならない事態にも対応できますし、自分の時間に空きができれば作業を進めることもできます。

内製化のデメリット

  1. 通常業務に支障をきたす
    メリットの3つ目でスケジュールを調整できるとしました。
    しかし、スケジュールを調整できるということは、動画マニュアルの制作作業よりも通常業務を優先させることができるということです。そうなると制作業務は進みません。
    また、動画マニュアル制作の進行に遅れが出れば、制作業務に時間を費やさなければなりませんので通常業務の時間が少なくなります。通常業務もおろそかに出来ないため、残業をするなどして時間を作らなくればならなくなります。
  2. クオリティの低い動画マニュアルになる可能性がある
    世の中に自分で動画制作をする人がいったいどれほどいるでしょうか。
    最近ではYouTuberなど動画制作をする人も増えているとは思いますが、それでも一握りの人達ではないかと考えられます。
    内製化する場合は、動画制作をしたことが無い人が作成することになる可能性が高くなります。そうなると作成するために試行錯誤し時間がかかってしまう、それなのにたいしたクオリティのものは出来上がらない…という結果になることも少なからず出てきてしまうでしょう。
  3. 機材を準備しなければならない
    機材は1度準備してしまえば継続して使えるのですが、高額の費用がかかることになります。レンタルする方法もありますので費用の計算をしておく必要があるでしょう。
    また、機材をそろえるための時間も必要です。

外部委託するメリット・デメリット

外部委託するメリット

  1. クオリティの高い動画マニュアルを作ってもらえる
    動画制作を専門にしている制作会社ですので、当然クオリティの高いものを作ってもらえます。
    機材やソフトウェアなどの設備ももちろん備わっていますので、自社で用意した機材を使うよりも高品質な動画が期待できます。また、制作会社は知識と経験がありますので、素人では思いつかない効果的な表現や編集、わかりやすいシナリオなどで制作してくれます。
  2. 通常業務の時間が割かれない
    外部委託すれば自分でマニュアルを制作する必要が無いので、打ち合わせや確認作業など最低限の時間だけをマニュアル制作に充てるだけで済みます。そのため自分が担当している通常の業務の時間を滞りなく行えるでしょう。

外部委託するデメリット

  1. 一定の時間がとられてしまう
    内製化する場合には必要ない工程があります。
    信頼できる会社はどこか、予算に合う制作をしてくれる会社はどこかなど調べる必要はありますし、制作会社が決まった後も見積もりの依頼や打ち合わせを行わなければなりません。
    また、打ち合わせも1回で済むとは限りません。希望どおりの動画マニュアルを作成してもらうためには自社の会社概要、商品やサービスの特徴、業務マニュアルであれば業務内容などを制作会社に知ってもらわなければなりません。
    そこにかなりの時間と労力を使わなければならない可能性が高いのです。
  2. スケジュール通りに進まない可能性がある
    制作会社を選ぶまではよかったけれど、制作会社が繁忙期であるためかなり先まで引き受けてもらうことができない、引き受けてもらえたけど納期が間に合わないなど、自社で決められたスケジュールに間に合わせることが出来ない可能性があります。

内製化の成功事例

ここからは動画マニュアルを内製化した企業の成功例をみていきましょう。

美容院経営会社

美容院経営会社がシャンプー技術を統一するという目的で動画マニュアルを作成しています。
動画の中にテロップを入れたり、注意点を解説したりしながら、実技を動画で見せることによって、従業員が同じ技術でシャンプーができるようにするためのものです。
動画のはじめにはその目的を話し、あくまで「最低限レベルのものである」と伝えてあります。また、最後にはシャンプーを通じてお客様に感じてもらいたいことを伝えることによってスタッフのモチベーション向上も狙っています。

宿泊施設運営会社

ベッドメイキングの方法をひとつひとつ、テロップを入れながら解説したマニュアル動画です。
この動画マニュアルにはナレーションが入っていません。宿泊施設の従業員が見るため、音声を流すことができない環境でも見ることができるようにできるという理由からです。
テロップも特別に説明したい箇所に付けられていますので、メリハリを付けて視聴することが可能です。

携帯キャリア会社

携帯キャリア会社がユーザーに向けて制作した動画マニュアルです。
実際の画面を使用して操作方法を解説したもので、テロップでの説明になっています。
ナレーションがなく、実際にどこを指しているのかをマウスポイントで目立つように指しているので、ユーザーにわかりやすいように作られています。
また再生リストには「メールアドレスの設定」「写真の登録」など様々な機能に関するものがあります。タイトルを見ただけで何の解説をしてくれるかがわかるので検索も容易です。

まとめ

文章ではわかりにくい内容を伝えるためや問い合わせなどの手間を省くために動画マニュアルは有効な手段であることがわかりました。
また、内製化・外部委託のメリットやデメリットも把握できました。
その上で動画マニュアル制作をする必要がある方は自社に合った方法を考えて進めていってください。

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