暗黙知を形式知に変えて企業の財産に|ナレッジマネジメントも解説

暗黙知・形式知という言葉は、ビジネスにおいてよく使用されます。特に、ナレッジマネジメントの重要性が増している現在において、暗黙知と形式知を適切に扱うことは、企業の重要な課題です。では、この暗黙知・形式知とはどのような知識を指すのでしょうか。また、ナレッジマネジメントとはどのようなマネジメント方法なのでしょうか。

今回は、ナレッジマネジメントの知識を深めるため、暗黙知・形式知とは何なのか、またナレッジマネジメントとはどのような手法なのか、詳しくご紹介しましょう。

暗黙知とは

暗黙知とは、辞書では以下のように定義されています。

暗黙知
「主観的で言語化することができない知識。言語化して説明可能な知識(形式知)に対し、言語化できない、または、たとえ言語化しても肝要なことを伝えようがない知識のこと。」
「社員や技術者が暗黙のうちに有する、長年の経験や勘に基づく知識。」
(デジタル大辞泉より)

簡単に言うと、暗黙知とは、「言葉や文字、数字で表すことが難しい知識」のことを指します。例えば、自転車に乗れても、「自転車の乗り方やコツ」を言葉や数字で表すのは難しいでしょう。
暗黙知は経験や勘によって培われる知識であるため伝えにくく、人と共有しにくい、人に教えにくいという特徴があります。

暗黙知と形式知の違い

暗黙知と並んで使用される言葉に、形式知があります。形式知は、辞書では以下のように定義されています。

形式知
「客観的で言語化できる知識。」
「言語化・視覚化・数式化・マニュアル化された知識。明示知。」
(デジタル大辞泉より)

暗黙知が言葉や数字で表しにくいのに対し、形式知は言語化・数値化が可能な知識、言語化・数値化された知識を指します。例えば、自転車に乗るにあたってのサドルの調整方法やブレーキのかけ方、ハンドルの操作方法などは、形式知として言葉で教えることが可能です。
言葉や数字で表せる形式知は、明確な共有ができるため、教育にも向いています。

暗黙知とナレッジマネジメント

ナレッジマネジメントは、前述の暗黙知や形式知に深く関わる経営手法です。

ナレッジマネジメントとは
社員や組織が持つ経験や知識(=ナレッジ)を、会社の知的財産として蓄積し、経営活動に生かしていく手法。

社員や組織が持つ仕事の知識やノウハウの活用は、業務を円滑に進めるために欠かせません。
しかし、この知識やノウハウは、経験や勘に基づく暗黙知であり、共有しにくいのが難点です。

そこで行われるのが、暗黙知の形式知への変換です。社員や組織が持つ暗黙知を形式知に変換して体系化したものは、ナレッジと呼ばれます。
形式知化されたナレッジは共有が可能になります。その内容を社内で共有・活用することで、業務を効率的に進めたり成功率を上げたりすることができます。
そして、蓄積されたナレッジは、業務をうまく進める秘訣として、会社の知的財産になります。

このように、ナレッジを蓄積し業務に活用していく手法をナレッジマネジメントと呼びます。

ナレッジマネジメントを構成する4つの要素

現在のナレッジマネジメントは、経営学者で大学教授である野中郁次郎氏が提示した「SECIモデル」というフレームワークを元に、実施されています。

SECIモデル4つのフェーズ

SECIモデルとは、知識創造のフェーズをSocializaiton【共同化】・Externalization【表出化】・Combination【連結化】・Internalization【内面化】という4つの段階に分けて考えるフレームワークのことです。これら4つのフェーズをスパイラル状に繰り返すことで、戦略的な知識創造を行います。
SECIモデルのフェーズは、以下の4つです。

Socializaiton【共同化】
経験の共有により、暗黙知を他人に移転させる。
暗黙知→暗黙知
Externalization【表出化】
暗黙知を形式知化し、共有する。
暗黙知→形式知
Combination【連結化】
形式知と形式知を組み合わせ、新たな体系の形式知を創造する。
形式知→形式知
Internalization【内面化】
形式知を個人の暗黙知へと内面化させる。
形式知→暗黙知

SECIモデルでは、このような4つのフェーズを順に繰り返すことで企業の財産となる知識が生み出され、ナレッジマネジメントが可能になるとされています。

SECIモデル4つの「場」

前述の4つのフェーズを活発化させるためには、ナレッジを共有したり共同で創造したりするための「場」が必要です。
SECIモデルでは、4つのフェーズに基づく4つの「場」が提唱されています。

Originating Ba【創発場】
共同化に対応する場。暗黙知を共有する場。
Dialoguing Ba【対話場】
表出化に対応する場。対話によって暗黙知を形式知化する場。
Systemizing Ba【システム場】
結合化に対応する場。形式知を組み合わせて新たな体系の形式知を作り出す場。
Exercising Ba【実践場】
内面化に対応する場。形式知を各社員の暗黙知へと身体化させる場。

このような4つのフェーズと、それに基づく4つの場で、知識は創造されていきます。
このような4つの要素を繰り返すことで、組織における絶え間ない知識創造を行うことが、ナレッジマネジメントの基本となります。

ナレッジ共有を効率化するナレッジマネジメントツール

ナレッジマネジメントには、専用のナレッジマネジメントツールや情報共有ツールの活用が便利です。
ナレッジマネジメントツールとしては、さまざまなものがリリースされており、ツール上であらゆる知識を蓄積し、共有することができます。

ナレッジマネジメントツールの機能例
・マニュアル機能(ナレッジの蓄積によりマニュアルを作成し共有する)
・データベース機能(欲しい情報を検索で手に入れる)
・ヘルプデスク機能(疑問や不明点について問い、その答えを得る)
・ファイル共有機能(ツール上でのファイル管理や共同編集)
・グループウェア機能(組織の状況や情報を一元管理する)
・e-ラーニング機能(ツール上での学習)
・ブログ・SNS機能(コミュニケーションを活性化させる)

ナレッジマネジメントツールでは、マニュアルやFAQなど多様な形でのナレッジ共有機能が搭載されています。
パソコンやタブレット、スマートフォンなどの端末からアクセスできるので、場所や時間の制限を受けず、必要な時に必要な人が必要な情報を得ることが可能になり、効率的なナレッジの共有が叶います。
効率的に情報を社内共有できれば、社内全体のスキルは向上し、業務も効率化、会社の競争力も向上するでしょう。

また、膨大なナレッジを蓄積・管理できるのもツールの魅力です。ナレッジマネジメントツールで社員や組織のナレッジを抽出し蓄積しておけば、人材の流出によるナレッジの消失を防ぐことも可能です。

まとめ

社員や組織が経験の中で培ってきた暗黙知を形式知化したナレッジは、企業の財産です。企業間の競争が激化する中で、ナレッジの活用、つまりナレッジマネジメントは今後さらに重要性を増していくでしょう。ナレッジマネジメントを効率的に行うには、ナレッジマネジメントツールや情報共有ツール、マニュアル作成共有ツールの導入がおすすめです。

専用ツールでは、マニュアルの整備やファイル共有、チャットやコメントによる柔軟なコミュニケーションが可能になり、社内の情報共有やコミュニケーションを活性化させます。ツールはSECIモデルで言うところの知識創造の「場」となり、社内でのナレッジの共有や蓄積を活発にするでしょう。専用ツールを積極的に活用し、より多くの社員がナレッジを発信し業務に活用できるようなマネジメントを目指しましょう。

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