離職率とは?離職率が高い原因や特徴・改善方法を解説

離職率という言葉は耳にしたことがあると思いますが、どうやって計算するのか、どういった会社の離職率が高いのかまで考えることはあまりないのではないでしょうか?

あなたの会社の離職率は高くないですか?
離職率が高いと感じていませんか?
気になる方は是非、計算方法や離職率が高い企業の特徴などについて見ていってください。

目次

離職率とは?離職率の計算方法

離職率の計算方法

離職率とは「一定期間を定め、その期間内に何人の従業員が離職したか」を計算した率のことです。
計算方法にある「一定期間」について法律などで定められた規定などがないため、企業によってさまざまな定義や基準で計算されています。
極端に言えば、一定期間を「3ヶ月」として計算することも可能です。仮に「離職率0%」と謳っている企業があったとしても、直近3ヶ月間に離職した社員が0人というだけの話で、実際には1年間にすると5人離職していました…といっても嘘にはならないのです。

離職率を見極めるには、どのくらいの期間を設けて、どのような定義で計算したかがポイントになります。
参考までに厚生労働省の雇用動向調査で使われている離職率の計算には、「離職者数を1月1日の常用労働者数で割って」計算していますが、一般企業では「離職者を起算日に在籍していた従業員数で割って」計算される方法が一般的です。

つまり一般企業では以下の方法で計算されるということになります。

離職者数÷起算日に在籍していた従業員数×100(%)

では、よくある計算期間で離職率の計算例を見てみましょう。

  • 従業員数100名企業で起算日から1年間の間に15名が退職した場合(新規採用なし)
    ⇨15÷100×100=15%
  • 採用した10人の新入社員が起算日から3年以内に2人離職した場合
    ⇨2÷10×100=20%(3年前に入社した新入社員の離職率)
  • 従業員数100名の企業で起算日から5年の間に入社した20人のうち“1年以内に辞めた中途社員”が5人いた場合
    ⇨5÷100×100=5%(5年の間に「1年以内に辞めた中途社員」の離職率)

定着率

離職率と似た言葉に「定着率」があります。
定着率は「一定期間を定め、その期間内に何人の従業員が定着しているか」というのを計算した率のことです。こちらも一定期間に定めはありません。
例えば、100人の新入社員のうち一定期間の起算日(4月1日)から1年の間に10人離職した場合、新入社員の定着率は90%(離職率は10%)となります。

一定期間の経過年数が長くなっても定着率が高い企業は離職率が低い企業とも言えます。
一定期間のうちにどれだけの従業員が離職したか、どれだけの従業員が定着しているかといった割合を示すものであり、計算方法はそれほど変わりません。

離職率の低い企業はホワイトだと言われることがありますが、財務状況が悪く給料が低くても離職率が低い企業もありますし、上場しており決して財務状況が悪くない企業でも離職率が高いところもありますので、一概に「離職率が低い=ホワイト」と言えない部分があります。あくまで参考とも言えるでしょう。
とはいえやはり離職率が高い企業は何か原因があるのが一般的と考えることになるでしょう。その理由は後述します。

最近の離職率の動向

厚生労働省が2021年2月3日に公表した「2020年上半期の雇用動向調査」によると、離職率は、新型コロナウィルスの影響による転職環境の悪化に伴う退職者の減少によって、2019年の調査結果9.1%から0.6ポイント下がって8.5%となりました。

なお、参考までに2019年の離職者数が多い職業として最も多いのは飲食サービス業で約155万人、次いで卸売業・小売業が約147万人、医療・福祉が約107万人となっています。

離職率が高い職場の特徴

では、一般的に離職率が高い企業の特徴を確認しておきましょう。

労働環境が悪い

まず一番にあげられるのが「労働時間の長さ」です。
労働時間が長くなる、つまり残業をしなければならない理由として、「残業ありき」となっていることが原因となっていることが多いようです。
例えば「上司が残っているので帰れない」「残業しないと評価を下げられる」など昭和の時代を引きずっているような企業は未だに多く残っているのが現状です。
いつまでもこのような長時間労働をさせていると離職する社員は減らないでしょう。
残業ではありませんが、休日数が少なすぎる企業も労働時間が長いことになりますので離職率は高めです。

また、「ハラスメントが横行している」企業もそうです。
パワハラやセクハラ、モラハラ、マタハラなどハラスメントは多く存在します。
ハラスメントが当たり前になっている企業の従業員はモチベーションが低く、心身をボロボロにして辞めてしまうことが多々あります。

ハラスメントほとぼ同義ですが「人間関係が良くない」企業も離職率が高いです。
ハラスメントではないけど、一人だけ飲み会に誘わない、自分だけお菓子をもらえない(お菓子外し)などいじめを受けている人がいる企業やワンマン社長で常に誰かが叱られており発言することができない、上司と話す機会がないなど風通しの悪い企業などがこれに該当するのではないでしょうか。

労働条件が悪い

給料が安い」というのも離職率が高くなる原因です。
体力を使う作業の割に事務職と同じぐらいしか給料が出ない、残業代が支払われないため同じ時間分働くアルバイターより手取りが少ないなど、労働に見合わない給料しか支給していないなど理由は様々です。

また、「求人票と実際の業務内容が異なる」というのも挙げられます。
求人段階では良い条件ばかり出しているけれど、実際に働き出したら全く条件が異なるというケースは少なくありません。
当然だまされた側は面白くありません。やりたい仕事ではないのに続ける義理もありませんので離職するのは当然です。

ノルマが多すぎる

営業系の企業ではノルマを課せられることもあると思います。
ノルマは目標として必要だと思うのですが、厳しすぎるノルマがあったり、ノルマを達成できないことに対して厳しく叱責されたりするような企業だと離職率は高くなるでしょう。
高いノルマを達成することにやりがいを感じる人もいるかと思いますが、やり過ぎると従業員にストレスを与えてしまいます。

教育制度や評価制度が整っていない

新人が入社したとしてもろくに教育してもらえない、誰に聞けばよいのか分からず仕事を覚えられないとなると、やりがいがないため辞めてしまうでしょう。

また、既存社員に対しても正しく評価されたり、褒められたりすることが無ければ辛いものです。サボっている人間と同じ給料しかもらえなくても面白くありませんから、どんどんモチベーションは下がっていってしまいます。

福利厚生が充実していない

交通費や住宅手当など基本的な福利厚生はあるけれど、出産・育児・介護をサポートする制度が整っていないなど、福利厚生が充実していなければどれだけ優秀な人材を育て上げたとしても、離職せざるを得なくなってしまう可能性があります。
人によりますが、他の社員と仲良くなるための福利厚生としてのレクリエーションが充実していないと辞めてしまうケースもあります。

離職率が高いことの悪影響

離職率が高い企業は、求職者目線だと前述した特徴を持っている会社だと思ってしまいます。
そのような企業に就職したいと思う人は少ないでしょうから、退職者の穴を埋めることができずどんどん人が少なくなっていってしまい、仕事が回らなくなります。最後は廃業に追い込まれることだってあるでしょう。

ただし、離職率が高いホワイト企業として、良い意味で辞めやすい環境が整っているという場合もあります。ステップアップを認めてあげているとか、従業員の転職を良いものとして捉えているような企業などがこれに該当します。
一概には離職率が高い=悪ではない可能性がありますので、就職したい企業がどういった企業であるかの見極めは大切です。

離職率を下げる改善方法

まずは前述した内容を改善するところから始めましょう。
給料が見合わない場合は賃金を上げる、残業代が正しく支払われていないのであれば残業代を支払う、無駄な残業は行わせない、きちんと休日を与える、有給休暇を取らせる、福利厚生をもっと充実させるといったことはすぐにできると思います。

しかし、ハラスメントやいじめなど人間関係によるものは簡単に判明しない可能性があります。
人間関係の中でも従業員同士のコミュニケーション不足が原因だとわかれば、コミュニケーションツールを利用することで、部署や肩書きを超えて悩み相談や提案などを行うこともできますので検討する価値があるでしょう。

やるだけやっても改善しない場合は匿名のアンケートを行うなどして、見えない不満を洗い出しましょう。
また、外部のコンサルタントなどに依頼して改善点を見つけてもらうことも1つの手です。

まとめ

離職率の高さは決して「悪い企業」に直結するわけではありませんが、多くの場合は「悪い企業」の可能性が高く、また良い企業でもそのレッテルを貼られる可能性が高くなります。
良い企業であれば離職率が高い理由を提示しておけばよいでしょう。
悪いと思われる企業は今すぐに悪い点の改善を行っておいたほうがよいでしょう。

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