今すぐはじめられる業務改善の6つのポイントと事例を紹介

少子高齢化が進み、将来的に社会全体が労働力不足に陥ってしまう可能性がある今、企業にとって業務改善は最優先して行わなくてはいけない事柄になりました。

この記事では業務改善を成功させるために、さまざまな業務改善の成功事例を紹介したいと思います。自社で参考に出来る内容があれば、ぜひ導入を考えましょう。

目次

業務改善とは

業務改善とは、特定の業務・作業を改善して効率性を上げることです。似た言葉に経費削減というものがありますが、2つの意味は大きく違いますので、注意してください。

経費削減は原材料などの仕入れ先を見直す、電気代を節約するなどの方法で直接的に経費を削減する方法で、業務改善は業務をより良い状態にすることに特化した考え方です。

結果的に業務改善が経費削減につながることはありますが、業務改善は経費ではなく「業務」に主体があることを覚えておきましょう。

主な業務改善の方法

ここからは業務改善の具体的な方法を項目別に紹介しましょう。自社の業務に適した方法を見つけてください。

1 廃止

業務改善と言うと、その言葉通りに「問題のある作業、非効率な作業を改善すること」と捉える方が多いようですが、実際には「ムダな業務を廃止する」ことも業務改善に含まれます。

最初からからムダが一つもない完璧な業務フローを作成することは困難ですが、業務を進める中で不要とされる作業を削っていけば、シンプルでいて効率の良い業務フローが確立するでしょう。

廃止の業務改善には客観的な視点で業務を見直す必要があるため、業務の可視化をすることで、より改善が実施しやすい環境になります。
また、業務の可視化には業務マニュアルの作成や見直しも役に立つでしょう。

2 簡素化

簡素化の業務改善は、今まで行っていた業務を省くのではなく簡略化することで、業務効率を上げる方法です。

トリプルチェックをしていたものをダブルチェックにする、承諾が必要な相手の人数を減らすなどが、その例です。

慎重に決断やチェックを行うことはもちろん大切なことですが、必要以上の対応を行うことが慣習化してしまっているような業務に適した改善方法です。

今行っている工程が「この業務にとって本当に必要なものなのか?」を考えて改善を進めると良いでしょう。

3 システム化

人間が行わなくてもいいような作業を機械に任せる業務改善をシステム化と言います。

今まで手動で計算していた計算をExcelの数式やマクロを用いて自動計算にし、ミスを防ぎながら作業時間を削減するなどがその例と言えるでしょう。

IT化が進む現代では、RPA(Robotic Process Automation)を導入した業務のシステム化など大規模な改善も積極的に行われています。

4 集中化

いくつもの部署や担当者が同じ業務を個別に行っていると、非常に非効率な場合がありますが、業務を一箇所に集中させれば、業務効率を向上させることが出来るのです。

例えば一般的に浸透している例ですが、文具発注を個人やチームで行うのではなく、部署ごとで行うという行動も業務効率化であると言えます。

業務を集中化すれば、より効率良くその他の業務が進められるようになるでしょう。

5 標準化

標準化の業務改善とは、社員が最適な手順で仕事を進められるようにすることを言います。

該当する業務に対して明確なルールを設ける、業務マニュアルや業務フローを作成するなどが具体的な方法です。

現段階で業務負担のムラや品質にばらつきある業務に実施するべき業務改善だと言えるでしょう。

また、標準化が成功した業務は業務の属人化が起こりにくくなり、人員変更時にもスムーズな引き継ぎが行えるようになります。

6 移管

移管とは、自社内で行うよりも外注した方が効率的な作業を移管するという方法です。

社内ではコアなタスクのみに注力する、専門知識の必要な業務は専門サービスに任せるなどがその例です。

具体的には、福利厚生サービスなどをアウトソーシングすれば、人事や総務の業務効率を上げながら、社内では出来なかったような福利厚生を社員に提供することが可能になるでしょう。

廃止により業務改善に成功した事例

今まで毎月印刷することを必須化しているデータがあった企業の改善事例です。

多くの社員がデータでの内容確認を行うため、印刷されたデータを利用する方はほとんどいないことが分かったため紙の印刷をやめ、データのみの保存とする改善を実施しました。

その結果、紙の印刷の手間が省け、印刷代の節約にもつながっただけでなく、膨大な量の書類管理を行うことに多くの時間を割いていた担当者の業務の効率化にも成功しました。

簡素化により業務改善に成功した事例

一定金額以上の物品購入に部長の承認が必要だった企業では、急ぎで発注が求められている機器の購入が即座に出来ずに業務が滞るという問題を抱えていました。

そこで物品購入ルールを簡素化し、一定金額以上の物品購入でも部長の承認を不要とするよう変更しました。

その結果、承認待ちの時間がなくなり、スムーズに業務を進められるようになったのです。

システム化により業務改善に成功した事例

今までExcelを用いて社員一人ひとりが毎日入力や計算作業を行っていたデータにマクロを活用し、ワンクリックで計算、集計が簡単に実施出来るようにしました。

結果的に、作業効率が上がっただけでなく計算ミスの防止効果もあるため、集計の取り直しなどの手間を無くすことも叶いました。

集中化により業務改善に成功した事例

それぞれの拠点でシステム担当者を用意し、社内システム管理を行っていた企業で、システム管理を本社で一元化して拠点システムはオンラインにて管理することにしました。

今まではトラブルに対して各所で対応していたのですが、一箇所でトラブル対応を行うことで一斉対応が可能になり、システム更新時や新規システムの導入もスムーズに行えるようになりました。

トラブル事例や問い合わせ内容の共有化し、FAQを作成することで社員が自ら問題を解決出来る環境も用意されたそうです。

標準化により業務改善に成功した事例

作業者によって製品のばらつきや作業時間にムラが発生してしまうという問題を抱えていた企業で、作業員に対して分かりやすいマニュアルとフローチャートを用意しました。

その結果、どの作業者が作業を行っても均一の品質を保った製品が適正な作業時間内に完成させられるようになりました。

また、引き継ぎに必要な期間も短縮出来るようになり、経験の浅い作業員でも正確な作業を実施することを可能にしたため、新規作業員が多数入社した時にも作業効率が落ちるようなことは起こらなくなりました。

移管により業務改善に成功した事例

コールセンターを設置しているものの、人手不足から顧客対応が十分に出来ていなかった企業にて、一部のカスタマーサポート機能を外部の専門業者に委託しました。

自社ではその統計データなどを参考にしながら商品開発や顧客サービスなどのコア業務に注力出来るようになり、顧客満足度の向上にもつながりました。

まとめ

業務改善の方法と、具体的な成功事例を項目別に紹介いたしました。
自社で参考に出来る事例がないかを確認し、取り入れられるものがあれば導入を検討してください。

また、業務改善にはノウハウの共有も有効です。各社員の経験や知識から得られたノウハウを全社員で共有できれば、成功事例や効率の良い方法を知ることができ、社員全体のレベルアップや業務の標準化にもつながります。

業務改善の第1歩として、ノウハウなどの情報共有から始めてみるのはいかがでしょうか。

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