業務マニュアルとは?作成方法や事例・ポイント・運用を解説

「業務マニュアルは最初だけ見ればよいもので、慣れてきたら不要」このように考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし業務マニュアルの本来の目的は、作業手順を覚えるためのものではありません。

作業を標準化し、全員でより効果的・効率的な業務遂行につなげることは、主な目的の1つです。また業務マニュアルを通して、企業が持つ理念や姿勢を理解してもらうという目的もあるでしょう。

本記事では業務マニュアルを知識共有につなげるポイントと、toaster teamの活用方法について解説します。

目次

業務マニュアルの定義

業務マニュアルとは、業務に関するノウハウと業務全体の進行方法をまとめた文書を指します。記載される内容は、主に以下の3点に分かれます。

・事業方針や行動指針、遵守すべきルールなど、業務を行う上での前提条件
・業務の進め方や判断のポイント、イレギュラーな事態への対応など
・完了とする基準や品質の指標

マニュアルは手順書と混同されがちですが、正確には異なるものです。手順書は作業を標準化する文書です。そのため初心者でも手順書に従うことで、誰でも品質を保った成果物を作成できます。

一方でマニュアルは、随所で判断が必要なときにどうすべきかという指針が含まれることが特徴です。従って業務に必要な知識を「組織知」として、関係者で共有することが求められます。そのため「マニュアルはあるけれど、判断は個人のノウハウによる」という職場では、有効に活用できません。

良いマニュアルと悪いマニュアルはどうして生まれるの?

マニュアルは業務に活かされてこそ、存在意義があります。せっかくマニュアルを作るなら、良いマニュアルにしなければなりません。

良いマニュアルのポイントとして、以下の特徴があります。

・業務遂行に必要な内容を網羅している
・誰でも見やすくわかりやすい。また誰が行っても同じ結果が得られる
・社会状況の変化や業務改善に対応するため、適宜更新されている
・現場の従業員がマニュアル改善に参加する仕組みが整えられ、活発に活用されている

一方で上記の項目を逆にすると、悪いマニュアルになります。以下のようなマニュアルは、悪いマニュアルの典型例といえるでしょう。

・業務遂行に問題点があっても、マニュアルが優先される企業風土
・現場で活用されず、オフィスの隅でほこりをかぶっている
・マニュアルよりも現場にいる上司や先輩からの教え、また自分自身の経験を優先させる
・改善の提案をしても、フィードバックがないのでやりがいを感じない

良いマニュアルにするためにはマニュアルそのものだけでなく、企業の姿勢や利用する現場の従業員の心がけも必須です。そのため組織が一丸となって、業務を改善する決意が求められます。

マニュアル「MUJIGRAM」が良品計画の業績を変えた

業務マニュアルを有効に活用することで業績を大幅に改善した企業の1つに、無印良品ブランドを展開する「良品計画」があります。無印良品は「わけあって、安い」をキャッチフレーズとするブランドで、シンプルなイメージもあり好感を持つ方も多いことでしょう。

同社は長年にわたり、経営トップと現場が一体となって業務の標準化に取り組んできました。このことは以下のように、業績が大きくアップする一因となっています。

良品計画のマニュアルは、以下の2つから成り立っています。

・店舗運営用の「MUJIGRAM」(ムジグラム)
・本部業務用の「業務基準書」

ここでは良品計画が行った取り組みを2点取り上げ、マニュアルづくりに欠かせないポイントを考えていきます。

作業の標準化で、マニュアルを実行すれば誰でもよい店舗運営ができる組織に

良品計画も、はじめから作業を標準化していたわけではありません。21世紀に入ったばかりの2001年当時は、従業員が上司や先輩それぞれが持つノウハウをもとに育つ風土でした。このような「属人化」と「経験主義」により、店舗ごとにレイアウトやオペレーションがばらばらとなったことが、2001年8月中間期決算で赤字に転落した原因の1つとされています。

2007年度 2017年度
売上高 1,620 億円 3,788 億円
営業利益 185億円 452億円

その後に良品計画の社長に就任した松井忠三氏は、挫折の本因をそれまでの企業風土にあると喝破し、仕組みから改革しました。店舗業務も例外ではなく、シャツのたたみ方からディスプレイの方法、レジ業務、そして発注方法まで、ありとあらゆる項目を「組織知」として標準化し、誰でも同じ作業ができるようにしました。同様に本部業務も標準化し、仕事を誰にでも引き継げるようにしています。

店舗業務をまとめた「MUJIGRAM」は2,000ページ以上、本部業務をまとめた「業務基準書」は6,600ページを超えます。業務運営の基準を整備することで、どの店舗でも社内に蓄積された「組織知」を活用し、完璧に近い売り場をつくることができます。これにより、業績アップにも貢献しています。

現場のスタッフ全員がマニュアルを活かし、改善に携わる風土をつくる

しっかりしたマニュアルを作成しても、以下のような運用を行っていると、また業務の属人化が進んでしまいます。

・一度作成したマニュアルは、改訂せず放置したまま
・業務の実態よりも、マニュアルを守っているかを重視する(マニュアル至上主義)

またマニュアルは本部が作成するだけでは、なかなか現場にフィットしたレベルに到達できません。そのため現場で働く従業員が知恵を出し合い、マニュアルを改善し続ける仕組みが必要です。

良品計画では現場から改善点を吸い上げる、以下の仕組みも作り上げています。

・店舗スタッフから上げられる「改善提案」
・お客様から直接受けた意見などを記入する「顧客視点シート」

これらのシートへの記入は簡単ですから、気づいたときにすぐにメモし、本部に提案できます。フィードバックも1週間以内に行われるため、どのような問題点でも積極的に提案するモチベーションづくりにひと役買っています。

このこともあり改善提案は年間5,000件、顧客提案シートは年間1万件におよび、マニュアル全体の12%前後が毎年改定されています。

マニュアルつくりのポイント

さきに取り上げた良品計画の例にとどまらず、良いマニュアルをつくるためには押さえておきたいポイントがあります。ここではそのポイントを4点取り上げ、解説していきます。

1 業務遂行に必要な内容を網羅している

良い業務マニュアルを作るためには、業務遂行に必要な内容を網羅していることが大前提です。もし通常業務のなかで判断に迷ったとき、マニュアルにも書かれていなかったらどうなるでしょうか。現場からは「こんなマニュアルは使えない」とみなされ、使われなくなってしまうおそれがあります。

もちろん、初めから完璧なマニュアルを作ることはなかなかできません。しかし初版の段階で頻度高い業務が網羅できていなければ、その後にしっかりしたマニュアルができても使われなくなってしまいます。利用されるマニュアルにするためには、初版の段階で業務に必要な内容が書かれていることが重要です。

2 誰でも見やすくわかりやすく、誰が行っても同じ結果が得られる

業務マニュアルの目的は、作業の標準化です。誰が行っても同じ結果を得るためには、人により異なる解釈を生まないように留意する必要があります。

このためには誰でも見やすく、そしてわかりやすいマニュアルづくりが欠かせません。必要に応じて図解や写真なども積極的に取り入れ、誰が見ても同じように理解してもらえることが重要です。

また、先に解説した「MUJIGRAM」では、作業の目的を以下の4項目で示しています。

・何
・なぜ
・いつ
・誰が

これにより「やる意味がわからない」「今やりたくない」「他の人にやらせたい」といった気持ちを排し、すべての従業員が自分のこととして、率先して仕事を行う職場づくりに貢献できます。

3 現場の従業員が積極的に参加する

業務マニュアルをつくる上では、現場の第一線で働く従業員が関わることが不可欠です。なぜなら、マニュアルは現場で使われるからです。

マニュアルを本部や本社だけで作ると、どうしても現場にフィットしない業務マニュアルができあがってしまいます。そのため活用されるマニュアルづくりには、現場の知見を取り入れることが欠かせません。

4 自社で手作りする

ここまでのポイントをご覧になった方のなかには、「なんだか面倒くさいので、どこか成功事例はないか」と考える方もいるかもしれません。成功した企業のマニュアルをコピーして自社に適用すれば、すべてがうまくいくと考えているのではないでしょうか。

いいえ、そうではありません。このような方法でマニュアルを作ることには、以下の問題があります。そのためせっかく用意したマニュアルも使われず、業績アップにつながりにくくなります。

・マニュアルが自社の事業環境にフィットしないため、せっかく用意しても使われない
・マニュアルを第一として運用すると、顧客から苦情が多くなり、評判を落とす
・他社の二番煎じであるため、競合に勝てない

このため、業務マニュアルは自社で手作りすることが欠かせません。現場の第一線で働く従業員から積極的に意見を聞いた上で、自社の課題を洗い出しましょう。

それぞれの事業環境を踏まえて、現場で活用しやすいマニュアルに仕上げることが何よりも重要です。

マニュアルは常にアップデートする必要がある

企業が直面する事業環境は、常に変化しています。また事業運営においては問題点が日々発生し、改善が行われています。このため業務マニュアルは「一度作ったら終わり」ではなく、変化に応じて改善されるべきものです。

もし業務マニュアルが改訂されないものだとしたら、どうなるでしょうか。

現場では「業務マニュアルは実態とかけ離れたもの」とみなされ、活用されなくなります。その結果、それぞれの職場ごとに個人のノウハウに依存した「属人化」が進むため、職場ごとにまるで別会社のような事業運営が行われてしまうかもしれません。

これを防ぐにはマニュアルを実態にあわせ、現場のノウハウを取り入れることが欠かせません。このためには全従業員がマニュアルづくりという「知識の共有」作業に参加することが求められます。「疑問を持った場合は我流で進めるのではなく、マニュアルを改訂する」という組織風土を作ることが、活用されるマニュアルにするコツです。

マニュアル作成は トースターチームがおすすめ

業務マニュアルを作成するには、AIマニュアル作成ツール「トースターチーム」での作成がおすすめです。トースターチームなら作成経験を問わず、誰でも簡単にマニュアルを作成・共有でき、他のメンバーから簡単にコメントやフィードバックを受けられます。このためマニュアルや手順書など、組織知を文書化する上で最適のツールです。

業務マニュアルに限らず、トースターチームで作成する文書は「レシピ」と呼ばれています。ここではトースターチームでレシピを作成するメリットを4点取り上げ、それぞれについて解説します。

チーム全員で業務マニュアルに必要なナレッジを共有

トースターチームは、簡単な作業で業務に必要なマニュアルを作成できることが特徴です。レシピの作成画面は、ワードやGoogleドキュメント、ブログと同じような感覚で使えます。グループを設定しておくことで、作成した文書を簡単に公開。難しい作業や特別な操作などは必要ありません。

さらにトースターチームでは、複数人が共同してマニュアルを作成できます。これらの機能により、チーム全員で業務マニュアルに必要なナレッジを共有できます。

コメント機能やフィードバックを活用して、チーム全体でナレッジを育てる

トースターチームでは、レシピに対するコメント機能も用意されています。チームメンバーは質問や改善点、フィードバックを伝えたい箇所に対して、ピンポイントにコメントできる点が魅力です。これにより業務マニュアルの作成者以外でも改善作業に参加でき、チーム全体でナレッジを育てることができます。

加えてトースターチームでは、コメントに画像も加えられます。テキストでは説明しにくいけれども画像ならすぐに理解してもらえるといったケースで、有効に活用できます。

辞書機能を活用してチームの共通言語をつくる

マニュアルでは、ときどき難しい言葉が出てきます。「これはどういう意味なんだっけ?」といろいろ調べたり、周りの方にたずねたりした方も、多いと思います。

トースターチームではレシピ中に難しい言葉や専門用語が出てきても、簡単にその意味を知ることができる「辞書機能」が使えます。あらかじめ「用語集」に専門用語や業界用語、社内用語などを登録しておけば、レシピ本文で自動的に下線があらわれます。読者はその用語にカーソルを持っていくと、自動的に用語の説明が表示されますから、調べる手間もかからずスムーズに理解が進みます。

辞書機能を活用することで、専門用語や社内用語も気兼ねなく使えます。チームで使われている共通言語を覚えてもらうために、この機能を使うことも効果的な方法の1つです。

パソコンやスマートフォンなど、さまざまな機器でアクセス可能

トースターチームはWindowsやMacなどのパソコンをはじめ、iPadやiPhone・Androidスマートフォンなど、さまざまな機器でアクセスできることも見逃せないポイントです。これによりオフィスでも外出先でも、場所を問わず作成されたレシピにアクセスすることが可能です。

「組織知」を共有し作業を標準化できる業務マニュアルが、業績のアップにつながる

業務マニュアルは、業務に必要かつ十分な知識をわかりやすく記載していることが必要です。加えて、常に現場の意見を取り入れアップデートすることも欠かせません。これらの活動を行うことで業務マニュアルは「組織知」を結集したものとなり、作業の標準化に結びつけることが可能です。

これにより属人化を排し誰でも作業ができるようになるため、業績のアップにつながると同時に「特定の人が欠けた場合のリスク」を回避することにもつながります。これは企業にとって、重要なメリットです。

このような業務マニュアルの作成には、トースターチームが適しています。「レシピ」の共同編集やコメント機能を活用することで、作成者以外でも気軽にマニュアルの品質向上に携わることが可能です。さまざまな機器にも対応していますから、業務マニュアルをいつでも気軽に使えます。

競争のなかで貴社が勝ち抜くためには、組織知の活用が不可欠です。この機会に、トースターチームを使った業務マニュアルの作成をお試しください。

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