カスタム科目で間接法のキャッシュフロー計算書を作成する方法をご紹介します
税理士法人つばめ
はじめに
概要
対象者
kansapoご利用者様&ご興味ある方
1はじめに1:カスタム科目とは
カスタム科目とは |
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2はじめに2:ご紹介する間接法のキャッシュフロー計算書の特徴
ご紹介する間接法のキャッシュフロー計算書の特徴 |
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3Step①:サンプルCSVをダウンロードする
こちらをダウンロードしてください
(投資活動と財務活動を純額で表示する場合のカスタム科目)
(投資活動と財務活動を品目を使って総額で表示する場合のカスタム科目)
※このような内容です(一部)
表示画面は「monthlyTrendsCr」=月次推移の製造原価報告書
「expression」にはすでに計算式が入力済み(以下、「Step②:サンプルCSVを加工する」にて加工が少し必要)
4Step②:サンプルCSVを加工する
ご利用者様ごとに以下の点が異なるため、個別に加工してください
1.「現金及び現金同等物」の対象となる勘定科目を追記
カスタム科目名「【CF】現金及び現金同等物の増減額(検証用)」の「expression」列を加工
例:「楽天(法人)」「三井住友(法人)」など。freeeの勘定科目名をそのまま記載してください
※「●●●」の部分だけ修正してください。不要なものは削除、また、追加で作成したい場合はコピペして追加してください
2.「売上債権」の対象となる勘定科目を追記
カスタム科目名「【CF】売上債権の増減額」の「expression」列を加工
サンプルCSVでは「売掛金」と「受取手形」を記載していますが、それ以外の売上債権がある場合は追記してください
例:「stripe」など。freeeの勘定科目名をそのまま記載してください
3.「未払金」の対象となる勘定科目を追記
カスタム科目名「【CF】未払金の増減額」の「expression」列を加工
例:「freeeカード ライト(Master)」など。freeeの勘定科目名をそのまま記載してください
4.非現金支出費用を追記
サンプルCSVでは「減価償却費」「長期前払費用償却」「減損損失」「繰延資産償却償却額」は入れてますが、その他の非現金支出費用があれば追記してください
例:敷金償却費
(例:「【CF】敷金償却額」を追加)
(新たに追加したカスタム科目は「小計欄」などの合計カスタム科目にも追加するのを忘れずに)
(新たに追加したカスタム科目の投資活動・財務活動によるCFでの調整について)
投資活動及び財務活動によるCFでは、品目を使って直接数字を集計しているため、上記のような【CF】敷金償却額について別途調整する必要はありませんのでご注意ください。
5.各社で独自に追加した勘定科目を追記
freeeにデフォルトで登録されている勘定科目は網羅していますが、独自に追加した勘定科目についてはCSVに適宜追記してください
追加した際には、上記「4.非現金支出費用を追記」と同様、小計欄に追加することにご留意ください
5Step③:加工後のCSVをアップロードする
1.カスタム科目画面にてアップロード
「インポート」をクリックし、加工後のCSVを選択してアップロードしてください
2.アップロードした内容を確認する
カスタム科目を利用したカスタム科目もありますので、表示される順番がCSVの順番と同じであることを確認してください(同じとなるように設計はしています)
(ご参考)
表示されるキャッシュフロー計算書
6Step④:月次推移(製造原価報告書)を開き、「【CF】検証」がゼロになっていることを確認する
1.月次推移→「製造原価報告書」タブの「【CF】検証」を確認
差額がある場合は計算式に追加が必要な可能性がありますので、「Step②:サンプルCSVを加工数する」をご参照いただき、カスタム科目を直接加工してください
月次推移画面において、「【CF】検証」がすべてゼロの場合はそもそも「【CF】検証」が表示されませんのでご留意ください(すべてゼロの場合は表示しない仕様のため)
※どうしてもゼロにならない場合は、kansapo画面右下にある『サポート』よりお問い合わせください。
Tips
差額の原因を探す方法としては、月次推移(貸借対照表)において、比較対象を「対前月」にして増減額を確認する方法が効率的です。
7Step⑤:カスタムレポートに表示する
以下の内容を入力して、カスタムレポートに表示します
※カスタムレポートの詳細は「カスタムレポートを作成する」をご覧ください
項目 |
内容 |
タイトル |
「CF」など適宜入力 |
基準月 |
「今月」など適宜選択 |
期間 |
「過去1年~3年」で適宜選択 |
集計種別 |
「全社集計」を選択 |
x軸単位 |
「年次~月次」で適宜選択 |
チャート種別 |
「棒」「折れ線」「混合」で適宜選択 |
データ |
指標種別:カスタム科目 |
指標:「営業活動によるCF」等を適宜選択 |
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数値種別:「発生」を選択(現金及び現金同等物は「累計」を選択) |
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Y軸:「左」「右」を適宜選択 |
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表示形式:「チャート種別」で「混合」を選択した場合は適宜選択 |
以下、
「現金及び現金同等物の期末残高」を棒グラフで右に
「営業活動によるCF」「投資活動によるCF」「財務活動によるCF」を折れ線グラフで左に
表示したものです(期間は過去3年)
※最初に「現金及び現金同等物の期末残高」を設定してください。そうすることで棒グラフが背面に、折れ線グラフが前面に出てきます
8Tips①:freeeの勘定科目設定の工夫(相手勘定科目編)
作成する際に個別に調整が必要な項目として、固定資産や有価証券の取得時の未払金や売却時の未収入金などがあります
現状では手入力のカスタム科目を使って個別に調整することが出来ますが、freeeの勘定科目の設定を工夫することによって手入力のカスタム科目に入力する数字を効率的に拾うことが可能になります
1.「設備未収入金」「設備未払金」「有価証券未収入金」「有価証券未払金」を新規作成する
freeeの設定→勘定科目の設定画面にて新規作成してください
設備未収入金及び設備未払金については、有形固定資産と無形固定資産の場合それぞれ必要なため、「設備未収入金(有形)」、「設備未収入金(無形)」及び「設備未払金(有形)」、「設備未払金(無形)」を作成してください
(例:設備未収入金(有形))
(例:設備未払金(有形))
2.固定資産、有価証券の「収入・支出取引相手勘定科目」を変更する
「収入・支出取引相手勘定科目」を、上記1で作成した「設備未収入金(有形)(無形)」及び「設備未払金(有形)(無形)」「有価証券未収入金」「有価証券未払金」に変更してください
(例:機械装置の勘定科目の編集画面)
※クレジットカードで購入した固定資産(パソコン等)については、クレジットカード(口座)に品目を付けることができないため、個別に調整する必要がありますのでご注意ください
9Tips②:freeeの勘定科目設定の工夫(内訳管理編)
投資・財務活動によるCF項目については、短期借入金を除き、収入と支出をグロスで表示させる必要があります(増減額の純額ではダメ)
そこで、別途調整表を作成する必要がありますが、freeeへの登録時に増減について「品目」をつけて管理し、その「品目」の内容から集計することができます
freeeへの登録時に適切な品目を登録する必要がありますが、勘定科目の設定で工夫することで制御することができます
1.CF集計用の品目を新規作成する
以下のような品目を新規作成します
勘定科目 |
品目:Cash in |
品目:Cash out |
品目:Cash関係なし |
有形固定資産 |
取得 |
売却 |
除却、減損、振替、その他 |
減価償却累計額 |
ー |
売却 |
除却、減損、償却、その他 |
無形固定資産 |
取得 |
売却 |
除却、減損、償却、振替、その他 |
有価証券、投資有価証券、関係会社株式 |
取得 |
売却 |
減損、その他 |
長期前払費用 |
取得 |
- |
振替、その他 |
出資金 |
払込 |
返還 |
減損、その他 |
敷金 |
差入 |
回収 |
償却、その他 |
差入保証金 |
差入 |
回収 |
その他 |
貸付金 |
貸付 |
回収 |
貸倒、その他 |
預託金 |
預入 |
回収 |
その他 |
保険積立金 |
積立 |
解約 |
その他 |
借入金 |
返済 |
借入 |
振替、債務免除、その他 |
2.勘定科目の設定で「内訳管理に使用する品目」を指定する
例:機械装置に品目「取得、売却、除却、減損」を指定
これによって、登録できる品目を制限することができます
※なお、freeeの固定資産台帳を利用している場合、自動計上される減価償却累計額に品目をつけることができません。品目「未選択」が減価償却費の計上だと分類してください。
10Tips③:kansapoのカスタムルールの工夫
kansapoでは科目設定画面においてチェックタグとして「付けたいタグ」を設定することができます
例えば、機械装置という勘定科目について、「品目」にチェックを入れると、仕訳チェックにて品目が付いていない場合にエラーとして検出できるようになっています
(科目設定画面)
(仕訳チェック画面)
しかし、チェックするとしたタグ別の内訳でマイナス残高がある場合、残高チェックにおいてエラーとして検出されてしまいます。例えば、機械装置の品目として、売却、除却、減損についてはマイナス残高になってしまい、毎月の残高チェックでエラーとして出てきてしまいます。
それを回避するためにカスタムルールを使います
なお、科目設定画面の品目のチェックを外した上で
1.CF用品目チェックのためのカスタムルールを設定する
以下のようなルールを設定することによって、品目の登録漏れを防止することができます
ポイントは、「品目 一致する 未選択」です
カスタムルールで品目チェックをすることによって、残高チェックでのエラーが出ないようになります(科目設定画面では「品目」にチェックを入れないようにします)
2.科目設定画面の品目のチェックを外す
残高チェックで引っ掛からないように、科目設定画面において「品目」のチェックを外します
3.仕訳チェックを実行する
チェックを実行することで、CF用の品目がついていない場合にエラーとして検出されます
「freeeへ」ボタンをクリックすることで該当する仕訳で絞られた状態でfreeeの仕訳帳に飛びますので、適宜修正してください
修正後、kansapoに仕訳帳を同期して、再度チェック実行してください。修正されている場合はエラーが消えます
11Tips④:検証方法の一例
kansapoで作成されたキャッシュフロー計算書の数字を、監査法人等が検証する必要がある場合、どのような方法で検証していくかという一例をご紹介します。
1.検証用元データを入手
①freeeから表示タグ「品目」の貸借対照表をCSVダウンロード
表示期間はキャッシュフロー計算書の期間と合わせる
②freeeから表示タグ「なし」の損益計算書をCSVダウンロード
2.検証対象をダウンロード
①kansapoの月次推移(製造原価報告書)を「品目別」にしてダウンロード
※ダウンロードしたファイルの以下の数値が検証対象となります
「sum」列
期末月の「【CF】現金及び現金同等物の期末残高」
3.上記1と2を元に検証
検証のポイントは以下の通りです
カスタム科目の計算式を参照(CSVダウンロードが可能です)
上記1でダウンロードしたファイルの「BSの増減額(自分で計算)」、「PL計上額」と「kansapoの月次推移(製造原価報告書)」を照合して検証
例:PLの「税引前当期純損益金額」=【CF】税引前当期純利益
手入力によるCFがある場合には、別途検討資料を作成し、手入力の根拠を残しておく。当該検討資料とkansapoの数字を照合する
12サンプルCSV留意点
サンプルCSV留意点 |
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13ヘルプページ一覧へ
以下よりご覧ください
kansapoヘルプページ一覧
Hiroyasu Kawamura