ナレッジマネジメントの実現で引き継ぎコストが1/10に
Blue Works税理士法人
- 業種
- 士業|税理士
- 従業員数
- 1~99名
- 目的・効果
- 組織内でのナレッジマネジメント・顧客情報の共有・業務標準化
導入前の課題
導入後の効果
士業の事務所こそナレッジマネジメントが必須
トースターチームを導入した背景を教えて下さい
高野さん:
法人を設立した当時から「組織化にはナレッジマネジメントが必須」と考えていました。
そこでまず、ビジネスチャットツールを導入しました。それまではメールや電話が中心だったお客様との連絡をチャットツールに移行したことで、お客様と密にコミュニケーションを取れるようになったのはもちろん、各スタッフがどのような業務、働き方をしているのかが見えるようになりました。
ところが、業務の指示やアドバイスが思っていたよりも伝わっていないことが分かってきたのです。スタッフによって伝え方や言葉の解釈が異なることで、お客様に提供するサービスの品質にかなり差があることが明確になりました。。また、スタッフが退職することで、お客様の担当者が変わることになり、サービス内容や質が変わってしまうという課題がありました。
同時に、スタッフへの教育にかかる手間や工数も課題になりました。新入社員の人数に比例して、業務内容を何度も説明する時間が必要になるうえ、言った言わない、伝えた教わっていないなどのコミュニケーションの齟齬が発生したりと、対面のみでの教育オペレーションに限界が見えはじめていました。
そこで重要テーマと考えたのが「業務内容の見える化」「業務の標準化」「属人化の解消」の 3 つです。これらを実現するために良いツールはないかと探していたときにマニュアル&ナレッジ管理アプリ「toaster team トースターチーム」に出会いました。
お客様の情報をすべて「レシピ」で管理
トースターチームをどのようにご利用されていますか?
高野さん:
トースターチームを使ってお客様ごとに「監査レシピ」という、お客様の情報をまとめたマニュアルを作成しています。
この監査レシピには
- 業種
- 監査頻度
- 監査場所
- 書類送付先
- 人物プロフィール
- コミュニケーション手段
- 利用システム
- 施策実行状況
- 監査資料
- 監査手順
といった、ありとあらゆるお客様の情報を記載しており、毎月内容をアップデートしています。
レシピにはフォーマットがあるので、フォーマットに則って作成することで、どの担当者でも同じレベルでレシピを作成できるのが良いですね。
また、用語集も非常に役立っています。士業という職業柄、専門用語が多くありますし、当社のスタッフの多くが税務の未経験者のため、言葉の壁にぶつかってしまいがちです。そのため、知らない用語があればまずは用語集を見る、用語集に載っていなければ自分で追加してベテランスタッフに内容を記載してもらう、という運用を行っています。
Web クリッピング機能もよく使っていて、私が読んで気になったニュースを社内に向けて共有しています。投稿内容は税務に関することだけでなく、ビジネスをする上でマインドとして身につけておいてほしいことなど様々です。投稿すると記事を読んだスタッフがコメントをくれたりするのが嬉しいですね。
引き継ぎコストは 1/10 に。新入社員への教育も大幅に効率化
トースターチームを導入した効果はいかがでしたか?
高野さん:
引き継ぎコストが体感的には 1/10 以上になりました。現場のスタッフからも「レシピがなかったらやばかったです」「レシピがないのは想像できないです」といった声がよく届きます。
引き継ぎは相手に情報を正しく伝えることが重要ですが、どこまで細かく伝えるべきかなど、そのやり方やスキルは人によってばらつきがあります。定型化されたレシピをもとに引き継ぎを行えば、誰でも同じように正しくお客様の情報を伝えられるので、とても引き継ぎがスムーズになりました。引き継ぎ以外にも、担当税理士とお客様担当者の間で、レシピを通じて業務内容のすり合わせができるため、業務の標準化につながっています。
また、新規のお客様を受け持った際には、似た業種のお客様のレシピを参考にしてレシピを作成することで、仕事の全体像がつかみやすくなったことで、新入社員への教育が楽になりました。
用語集について言えば、新入社員の業務理解のスピードが格段に上がったと感じています。ベテランスタッフにとっても、今まで用語の意味を勘違いしていたことに気づくなどの効果がありました。同じ用語でも違った意味で認識していることも少なくないので、言葉の定義を揃えられたという面では、社内全体に効果があったと感じています。
また、IT ツールを活用したナレッジマネジメントを実現できている、という点で当社をご評価いただくことも増えました。担当が変わっても一定水準のサービスを提供できる、という点はもちろん、時代に合わせて多様化したニーズにもお答えできるのでは、というポイントでお問い合わせいただくことが増えました。
標準化した先の属人性を目指したい
これからどのような組織を目指していますか?
高野さん:
税理士の業界も競争が激しさを増しており、お客様からの要望も多様化しています。多くの税理士事務所の中から当事務所を選んでいただく理由、強みを見出していきたいと考えています。ここまで業務の標準化・属人性の排除と言ってきましたが、その後に残る真に属人化したスキルこそが強みだと考えていますので、従業員一人ひとりにそうした強みを見つけていってほしいと思います。
【お話を伺った方】
代表社員 高野雅也 さん
※掲載記事の内容・所属部門名・役職はご取材時のものです。